分散トレースサンプリング(ぶんさんとれーすさんぷりんぐ)
最終更新:2026/4/28
分散トレースサンプリングは、大規模な分散システムにおいて、すべてのトランザクションをトレースするのではなく、一部を確率的に選択してトレースする手法である。
ポイント
トレースデータの量を削減し、パフォーマンスへの影響を抑えつつ、システム全体のボトルネックや問題点の特定を可能にする。
分散トレースサンプリングとは
分散トレースサンプリングは、マイクロサービスアーキテクチャなどの複雑なシステムにおいて、リクエストが複数のサービスを通過する際に、各サービスでの処理状況を追跡する分散トレーシングの効率化を図るための技術です。すべてのトランザクションをトレースすると、大量のデータが発生し、ストレージコストの増加やパフォーマンスの低下を引き起こす可能性があります。そこで、分散トレースサンプリングでは、リクエストを一定の確率で選択し、そのリクエストのみをトレースすることで、データ量を削減します。
サンプリング手法
分散トレースサンプリングには、いくつかの手法があります。
- ヘッドベースサンプリング: リクエストの最初のサービスでサンプリングを行い、その結果を後続のサービスに伝播します。
- テールベースサンプリング: リクエストの最後のサービスでサンプリングを行い、その結果を遡って伝播します。
- アダプティブサンプリング: システムの負荷状況に応じてサンプリングレートを動的に調整します。
サンプリングレートの決定
適切なサンプリングレートは、システムの特性やトレースデータの利用目的に応じて決定する必要があります。サンプリングレートが高すぎると、トレースデータの量が減少し、問題の特定が困難になる可能性があります。一方、サンプリングレートが低すぎると、トレースデータの量が過剰になり、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
分散トレースツールとの連携
分散トレースサンプリングは、Jaeger、Zipkin、OpenTelemetryなどの分散トレースツールと連携して利用できます。これらのツールは、サンプリングの設定やトレースデータの収集・分析を容易にします。
注意点
サンプリングを行うことで、一部のリクエストがトレースされないため、問題の再現性や正確性に影響を与える可能性があります。特に、発生頻度の低い問題や、特定の条件下でのみ発生する問題については、サンプリングによって見逃される可能性があります。