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インキュナブラ(いんきゅなぶら)

最終更新:2026/4/16

15世紀半ばから16世紀初頭にかけて、活版印刷技術を用いて作られた初期の印刷書のこと。

別名・同義語 初期印刷本古活版本

ポイント

活版印刷の黎明期に生まれた貴重な印刷物を指し、書誌学や歴史研究の対象となる。現存数は限られている。

インキュナブラの定義と時代

インキュナブラ(Incunabula)とは、ラテン語で「ゆりかご」を意味する言葉で、活版印刷技術の誕生から、その技術が広く普及するまでの初期段階に作られた印刷物を指します。一般的には、1450年頃にグーテンベルクが活版印刷を発明してから、1500年頃までの印刷物がインキュナブラと呼ばれます。ただし、地域によっては1550年頃までをインキュナブラと定義することもあります。

インキュナブラの特徴

インキュナブラは、手写本の影響を強く受けており、活字だけでなく、手書きによる装飾やルビ、注釈などが加えられていることが特徴です。初期のインキュナブラは、手写本の写本と見分けがつかないほど、手作業による装飾が施されているものも多く存在します。また、活字のデザインも多様で、ゴシック体やイタリア体など、様々な書体が用いられています。紙質も現代のものとは異なり、粗いものが多く、保存状態も良好でないものも少なくありません。

インキュナブラの重要性

インキュナブラは、活版印刷技術の発展と普及の過程を示す貴重な資料であり、書誌学歴史学美術史などの研究において重要な役割を果たしています。インキュナブラの研究を通じて、活版印刷技術の伝播経路や、当時の社会・文化・思想などを知ることができます。また、インキュナブラは、美術品としての価値も高く、多くの図書館美術館で所蔵されています。

インキュナブラの保存

インキュナブラは、その希少性と保存状態の悪さから、適切な保存環境が必要です。温度や湿度を適切に管理し、直射日光や強い光を避けることが重要です。また、酸性の紙を使用しているインキュナブラは、酸性度を中和する処理を行うことで、劣化を遅らせることができます。デジタル化技術の進歩により、インキュナブラのデジタルアーカイブ化が進められており、より多くの人々がインキュナブラに触れる機会が増えています。

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