トーテミズム(とーてみずむ)
最終更新:2026/4/25
トーテミズムは、特定の社会集団が、動物や植物などの自然物と特別な関係を持つという信仰体系である。
別名・同義語 部族制氏族制
ポイント
トーテミズムは、祖先崇拝や自然崇拝と関連付けられることが多く、社会構造や倫理規範にも影響を与える。
トーテミズムの概要
トーテミズムは、人類学において、特定の社会集団(氏族、部族など)が、特定の動物、植物、自然現象などを「トーテム」として崇拝し、特別な関係を持つ信仰体系を指します。トーテムは、集団の守護神、祖先、象徴として扱われ、集団のアイデンティティや結束を強化する役割を果たします。
トーテミズムの起源と歴史
トーテミズムの概念は、19世紀後半にルイス・ヘンリー・モーガンによって提唱されました。モーガンは、北米先住民の社会構造を研究する中で、氏族が特定の動物をトーテムとして崇拝していることを発見し、これを人類の進化における初期段階の信仰体系として解釈しました。しかし、その後の研究によって、モーガンのトーテミズム理論は、単純化されすぎているという批判も出ています。
トーテミズムの形態
トーテミズムの形態は、地域や文化によって多様です。一般的には、以下の3つの形態に分類されます。
- 動物トーテミズム: 動物をトーテムとする形態。狩猟採集社会において、食料となる動物や、畏敬の念を抱く動物がトーテムとなることが多い。
- 植物トーテミズム: 植物をトーテムとする形態。農耕社会において、穀物や果樹などがトーテムとなることが多い。
- 自然現象トーテミズム: 自然現象(太陽、雷、水など)をトーテムとする形態。自然の力に対する畏敬の念がトーテムとして表現される。
トーテミズムの機能
トーテミズムは、社会集団に様々な機能をもたらします。
- 集団の結束: トーテムを共有することで、集団のメンバー間の連帯感を高める。
- 社会秩序の維持: トーテムに対するタブー(禁忌)を設定することで、集団内の行動規範を定める。
- 自然環境の保護: トーテムとする動植物を保護することで、自然環境の保全に貢献する。
近年の研究動向
近年では、トーテミズムを単なる原始的な信仰体系として捉えるのではなく、社会構造や生態環境との相互作用の中で理解しようとする研究が進んでいます。また、トーテミズムの概念が、現代社会における環境問題やアイデンティティの問題を考える上で、示唆に富む視点を提供することも指摘されています。