グロースマインドセット(ぐろーす まいんどせっと)
最終更新:2026/4/11
知能や才能は努力や経験を通じて成長・変化させることができるという信念。心理学者キャロル・ドゥエックが提唱した概念。
別名・同義語 成長思考しなやかマインドセット
ポイント
能力は固定されたものではなく、挑戦や学習によって向上すると捉える考え方です。このマインドセットを持つことで、困難に直面した際の粘り強さや学習意欲が向上します。
概要
グロースマインドセット(Growth Mindset)とは、アメリカの心理学者キャロル・ドゥエックが提唱した心理学用語で、自分の能力や知能は努力や経験、学習を通じて成長させることができるという信念を指します。これに対して、能力は生まれつき決まっており変化しないと考える考え方を「フィックスドマインドセット(Fixed Mindset)」と呼びます。
この概念の重要性は、人が直面する困難や失敗に対する反応にあります。グロースマインドセットを持つ人は、失敗を「能力の限界」ではなく「学習のための貴重なフィードバック」と捉えます。そのため、挑戦を恐れず、戦略を練り直して努力を継続する傾向があり、長期的には高い成果を収めやすいとされています。
主な特徴・機能
- 挑戦を厭わず、新しいスキルの習得に意欲的に取り組む。
- 失敗や批判を自身の成長を促すための情報源として活用する。
- 他者の成功を脅威とせず、そこから学びを得ようとする。
- 努力を「能力がない証拠」ではなく「成功へのプロセス」と見なす。
歴史・背景
本概念は、1970年代からドゥエックらが行ってきた子供の失敗に対する反応の研究に基づいています。当初は知能や学習能力に関する研究として始まりましたが、1990年代以降、ビジネスや教育の分野に広く応用されるようになりました。2006年の著書『マインドセット「やり抜く力」を科学する』の出版により、学術的な枠組みを超えて社会的に広く認知されるに至りました。
社会的影響・応用事例
- 教育現場:教師が「結果」ではなく「努力のプロセス」を称賛することで、生徒の意欲を引き出し学習効果を高める指導法に導入されています。
- 企業組織:人材開発やリーダーシップ研修において、失敗を許容し、継続的な学習を推奨する企業文化(学習する組織)の構築に活用されています。
- スポーツコーチング:選手の才能に依存するのではなく、反復練習と戦略的改善を重視する育成メソッドの基盤として広く採用されています。
関連概念
- フィックスドマインドセット:能力は固定されていると信じる、グロースマインドセットの対極にある概念。
- レジリエンス:逆境や困難に直面した際に、立ち直る力や適応する心理的しなやかさ。
- 非認知能力:学力テストでは測れない、意欲や忍耐力、自制心などの人間性の基盤となる能力。