記憶システム(きおくしすてむ)
最終更新:2026/4/25
記憶システムとは、情報を符号化、貯蔵、検索する脳の仕組みの総体を指す。
別名・同義語 記憶機構記憶機能
ポイント
記憶システムは、感覚記憶、短期記憶、長期記憶の段階を経て情報を処理し、学習や経験の蓄積を可能にする。その機能不全は様々な記憶障害を引き起こす。
記憶システムの概要
記憶システムは、私たちが経験する情報を保持し、必要に応じて取り出すための複雑な情報処理システムです。これは単一のシステムではなく、複数のサブシステムが相互に作用することで機能しています。主要なサブシステムとして、感覚記憶、短期記憶(作業記憶)、長期記憶が挙げられます。
各サブシステムの役割
- 感覚記憶: 視覚、聴覚、触覚など、感覚器官から得られた情報を一瞬だけ保持します。保持時間は非常に短く、注意を向けなければすぐに消失します。
- 短期記憶(作業記憶): 注意を向けている情報を一時的に保持し、操作します。保持容量は限られており、約7±2個の情報しか保持できません。情報を長期記憶に転送するためには、リハーサル(反復)が必要です。
- 長期記憶: 比較的永続的に情報を保持します。長期記憶は、さらに宣言的記憶(エピソード記憶、意味記憶)と手続き的記憶(スキル、習慣)に分類されます。
記憶のプロセス
記憶は、以下の3つのプロセスを経て形成されます。
- 符号化: 感覚入力を脳が処理できる形に変換するプロセス。
- 貯蔵: 符号化された情報を脳内に保持するプロセス。
- 検索: 貯蔵された情報を取り出すプロセス。
記憶システムの障害
記憶システムに障害が生じると、様々な記憶障害が現れます。例えば、健忘症、アルツハイマー病、解離性健忘などが挙げられます。これらの障害は、特定のサブシステムに影響を与えたり、記憶プロセスのいずれかの段階を阻害したりすることで発症します。
記憶システムの研究
記憶システムは、心理学、神経科学、認知科学などの分野で広く研究されています。近年では、脳画像技術の進歩により、記憶形成に関わる脳領域や神経回路が明らかになりつつあります。