手続き記憶(てつづききおく)
最終更新:2026/4/25
手続き記憶とは、技能や習慣の獲得・保持に関わる記憶システムであり、意識的な想起を伴わない。
ポイント
手続き記憶は、自転車の乗り方や楽器の演奏など、身体的な動作や技能の習得に不可欠である。海馬とは異なる脳領域が関与する。
手続き記憶とは
手続き記憶(procedural memory)は、明示記憶(宣言的記憶)とは対照的に、意識的に思い出そうとしなくても、身体的な動作や技能が自動的に実行されるようになる記憶システムです。自転車に乗る、ピアノを弾く、タイピングする、水泳をするなど、一度学習した技能は、手続き記憶として蓄積され、繰り返し練習することでより洗練されます。
明示記憶との違い
明示記憶は、事実や出来事など、意識的に思い出すことができる記憶です。例えば、「昨日の夕食は何を食べたか」といった質問に答えるためには、明示記憶が必要です。一方、手続き記憶は、意識的な想起を必要としません。「自転車の乗り方」を言葉で説明するのは難しいかもしれませんが、実際に自転車に乗れば自然に身体が動きます。このように、手続き記憶は、身体的な動作や技能の実行に直接関与します。
脳の部位と手続き記憶
手続き記憶の形成と保持には、大脳基底核、小脳、運動皮質などの脳領域が重要な役割を果たしています。特に、大脳基底核は、習慣的な動作の学習に関与し、小脳は、運動技能の学習に関与することが知られています。海馬は、明示記憶の形成に重要な役割を果たしますが、手続き記憶には直接関与しません。
手続き記憶の学習メカニズム
手続き記憶の学習には、強化学習や模倣学習などのメカニズムが関与します。強化学習では、行動の結果として得られる報酬や罰に基づいて、行動が強化されたり弱められたりします。模倣学習では、他者の行動を観察し、それを模倣することで技能を習得します。
手続き記憶の障害
脳損傷や神経変性疾患によって、手続き記憶が障害されることがあります。例えば、パーキンソン病では、大脳基底核の機能障害によって、運動技能の学習や実行が困難になることがあります。