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ワーキングメモリ(はたらきめもり)

最終更新:2026/4/25

ワーキングメモリは、情報を一時的に保持し、操作するための認知システムである。

別名・同義語 短期記憶操作記憶

ポイント

ワーキングメモリは、短期記憶とは異なり、情報を能動的に処理する能力を含む。注意や意思決定に不可欠である。

概要

ワーキングメモリは、認知心理学における重要な概であり、情報を一時的に保持し、操作することで、複雑な認知活動を可能にするシステムである。短期記憶と混同されることが多いが、ワーキングメモリは単なる情報の保持だけでなく、情報の操作や更新といった能動的な処理を行う点が異なる。

モデル

ワーキングメモリのモデルとして最も影響力のあるのは、アラン・バッドリーが提唱したモデルである。このモデルでは、ワーキングメモリは以下の要素から構成される。

  • 中心実行系 (Central Executive): 注意の制御、情報の選択、タスクの切り替えなど、ワーキングメモリ全体の活動を監督する。
  • 音声ループ (Phonological Loop): 言語情報を一時的に保持し、リハーサルによって維持する。内語(心の中で繰り返す)と音声に基づく記憶を利用する。
  • 視空間素描板 (Visuospatial Sketchpad): 視覚的および空間的な情報を一時的に保持し、操作する。イメージの回転や空間的な関係の把握に関与する。
  • エピソードバッファ (Episodic Buffer): 複数の情報源からの情報を統合し、一時的なエピソード記憶として保持する。中心実行系と長期記憶とのインターフェースとしても能する。

機能

ワーキングメモリは、以下のような様々な認知機能において重要な役割を果たす。

  • 読解: 文脈を理解し、情報を統合するために必要となる。
  • 計算: 数字を記憶し、操作するために必要となる。
  • 問題解決: 問題の条件を記憶し、解決を検討するために必要となる。
  • 意思決定: 選択肢を比較し、最適な行動を選択するために必要となる。
  • 学習: 新しい情報を既存の知識と関連付け、長期記憶に定着させるために必要となる。

容量

ワーキングメモリの容量は限られており、一般的に「7±2」のチャンク(意味のあるまとまり)を保持できると言われている。しかし、チャンクのサイズや情報の複雑さによって、実際に保持できる量は変動する。

関連研究

ワーキングメモリに関する研究は、認知心理学神経科学教育学など、様々な分野で行われている。近年では、脳画技術を用いた研究により、ワーキングメモリに関与する脳領域が特定されつつある。

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