行動療法(こうどうりょうほう)
最終更新:2026/4/22
行動療法は、学習理論に基づき、観察可能な行動に焦点を当てて問題解決を図る心理療法である。
別名・同義語 行動修正療法行動分析
ポイント
古典的条件づけやオペラント条件づけなどの原理を用いて、不適応行動の修正や新たな行動の学習を促す。薬物療法を伴わない精神療法の一種である。
行動療法の概要
行動療法は、20世紀初頭に動物実験から発展した学習理論を基盤とする心理療法です。人間の行動は、過去の経験を通して学習されたものであり、その学習パターンを変えることで問題行動を改善できると考えます。認知行動療法が登場する以前は、行動療法が心理療法の一つの主流でした。
行動療法の歴史
行動療法の起源は、イワン・パブロフの古典的条件づけの実験に遡ります。その後、ジョン・B・ワトソンが行動主義心理学を提唱し、エドワード・ソーンダイクやB.F.スキナーがオペラント条件づけの原理を発見しました。これらの理論を応用し、1950年代から1960年代にかけて、行動療法が臨床心理学の分野で発展しました。
行動療法の主な技法
行動療法には、様々な技法が存在します。代表的なものとして、以下が挙げられます。
- 系統脱感作: 不安を引き起こす対象に対して、段階的に暴露することで不安を軽減する技法。
- 暴露療法: 不安を引き起こす状況に直接暴露することで、不安を克服する技法。
- オペラント条件づけ: 行動の結果を操作することで、行動の頻度を増減させる技法(例:トークンエコノミー)。
- モデリング: 他者の行動を観察し、それを模倣することで学習する技法。
- アサーション訓練: 自分の意見や感情を適切に表現する訓練。
行動療法の適用範囲
行動療法は、様々な精神疾患や問題行動の治療に用いられます。例えば、恐怖症、強迫症、パニック障害、社交不安障害、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、依存症、ADHD、自閉スペクトラム症などです。
行動療法の限界と注意点
行動療法は、効果的な治療法である一方で、限界も存在します。例えば、内的な感情や思考に焦点を当てないため、根本的な問題解決には至らない場合があります。また、倫理的な問題や、クライアントの権利を侵害する可能性も指摘されています。行動療法を受ける際には、専門家とよく相談し、適切な治療計画を立てることが重要です。