破滅的忘却(はめつてきぼうきゅう)
最終更新:2026/4/27
破滅的忘却とは、過去のトラウマ的な出来事に関する記憶が、意識的な想起から完全に消え去る現象である。
ポイント
心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の一つとして現れる場合があり、記憶の断片化や解離と関連する。
破滅的忘却とは
破滅的忘却(Catastrophic forgetting)は、神経科学や機械学習の分野で用いられる用語であり、特に人工ニューラルネットワークにおいて、新しい情報を学習する際に、以前に学習した情報を急速かつ完全に忘れてしまう現象を指します。しかし、心理学においては、過去のトラウマ的な出来事に関する記憶が、意識的な想起から完全に消え去る現象を指すことがあります。この心理学的な意味合いでの破滅的忘却は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状の一つとして現れることがあります。
心理学における破滅的忘却
トラウマ的な出来事を経験した人は、その記憶を完全に思い出せない、あるいは断片的な記憶しか持てない場合があります。これは、脳が強いストレスから身を守るために、記憶を抑制したり、改変したりするメカニズムが働くためと考えられています。破滅的忘却は、記憶の抑制、解離、および記憶の再構成といったプロセスを通じて起こり得ます。記憶が完全に消え去るわけではなく、無意識的なレベルで影響を与え続けることもあります。
神経科学と機械学習における破滅的忘却
神経科学においては、シナプスの可塑性が関与していると考えられています。新しい情報を学習する際に、既存のシナプス結合が変化し、以前の記憶が上書きされてしまうことがあります。機械学習においては、特に逐次学習を行うニューラルネットワークにおいて、新しいタスクを学習する際に、以前に学習したタスクのパフォーマンスが著しく低下する現象として観察されます。この問題を解決するために、様々な手法が研究されています。
関連する概念
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 解離
- 記憶の抑制
- 記憶の改ざん
- シナプスの可塑性