オーラルヒストリー手法(おーらるひすとりーてほう)
最終更新:2026/4/25
オーラルヒストリー手法は、語頭録音やインタビューを通じて個人の記憶や経験を収集・記録し、歴史資料とする調査方法である。
ポイント
従来の文献資料だけでは捉えきれない、個人の視点や感情、社会の生きた声を記録することを目的とする。歴史研究だけでなく、企業史や地域史など幅広い分野で活用されている。
オーラルヒストリー手法の概要
オーラルヒストリー手法は、文字資料だけでは得られない歴史の多面的な側面を明らかにするために用いられる。特に、社会の弱者層や少数派の視点、あるいは日常的な生活の記録といった、既存の歴史記録に埋もれがちな情報を収集する上で有効である。
歴史的背景
オーラルヒストリーの概念は、1960年代のアメリカで、公民権運動やベトナム反戦運動を背景に、これまで歴史から排除されてきた人々の声を記録しようとする試みから発展した。当初は、社会運動の一環としての性格が強かったが、その後、学術的な研究手法として確立されていった。
手法の詳細
オーラルヒストリーの調査は、通常、対象者へのインタビューから始まる。インタビューは、事前に綿密な準備を行い、対象者の人生経験や特定の出来事に関する詳細な情報を引き出すように設計される。録音されたインタビューは、文字起こしされ、記録として保存される。また、インタビューの際には、写真や映像などの資料を収集することも重要である。
注意点
オーラルヒストリーは、個人の記憶に基づいているため、主観性や不確実性が伴う。そのため、インタビューの際には、対象者の記憶の歪みや誇張に注意し、複数の情報源と照らし合わせながら検証する必要がある。また、インタビュー対象者のプライバシー保護にも配慮する必要がある。
応用分野
オーラルヒストリー手法は、歴史学だけでなく、社会学、人類学、民俗学、ジャーナリズムなど、幅広い分野で応用されている。企業史や地域史の編纂、博物館の展示資料の作成、ドキュメンタリー映画の制作など、様々な形で活用されている。