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オーラルヒストリー(おーらるひすとりー)

最終更新:2026/4/15

語頭史料とも呼ばれ、特定の人物や集団の語り口を通して歴史を記録・研究する手法。

別名・同義語 語頭史料伝口史

ポイント

文字資料が少ない時代の歴史や、個人の主観的な経験を重視する歴史研究に貢献する。近年、地域史や企業史など幅広い分野で活用されている。

オーラルヒストリーとは

オーラルヒストリー(Oral History)は、文字による記録が乏しい時代の歴史や、公式な記録には残らない個人の経験や記憶を収集し、歴史を再構成する手法です。語頭史料とも呼ばれます。単なる証言の記録にとどまらず、インタビューを通じて語る人の言葉や表現、沈黙、感情といった非言語的な情報も重要な資料として扱われます。

歴史的背景

オーラルヒストリーの起源は、20世紀初頭のアメリカに遡ります。当初は、奴隷解放後のアフリカ系アメリカ人の生活史を記録する活動から始まりました。その後、ニューディール政策下で失業者や農民の証言を収集するプロジェクトなどが実施され、手法が確立されていきました。日本においては、1970年代から本格的に研究・実践されるようになりました。

調査方法

オーラルヒストリーの調査は、通常、インタビュー形式で行われます。インタビュー対象者の選定、質問項目の作成、インタビューの実施、記録の整理・分析といった段階を経て行われます。インタビューの際には、対象者の記憶を喚起するための資料(写真、手紙、日記など)を活用したり、インタビュー場所を対象者の生活環境に近い場所にするなど、様々な工夫が凝らされます。録音・録画技術の発展により、インタビューの記録は容易になりましたが、記録の保存・管理には十分な注意が必要です。

活用分野

オーラルヒストリーは、歴史学、社会学、人類学、民俗学など、様々な分野で活用されています。特に、地域史、企業史、労働史、女性史など、特定の地域や集団の歴史を明らかにする際に有効です。また、戦争体験者の証言を記録する活動や、災害からの復興過程を記録する活動など、社会的な課題の解決に貢献する可能性も秘めています。

注意点

オーラルヒストリーは、語る人の主観的な記憶に基づいているため、客観的な事実とのずれが生じる可能性があります。そのため、複数の証言を比較検討したり、他の資料と照合したりするなど、批判的な視点を持って分析することが重要です。また、インタビュー対象者のプライバシー保護にも配慮する必要があります。

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