放射性炭素年代測定(ほうしゃせいたんそねんだいそくてい)
最終更新:2026/4/25
放射性炭素の減衰を利用して、有機物の年代を測定する方法である。
別名・同義語 炭素14年代測定法¹⁴C年代測定法
ポイント
遺跡から出土した木片や骨などの年代を推定する上で不可欠な技術であり、考古学や地球科学の分野で広く利用されている。
概要
放射性炭素年代測定法は、生物が生存している間に体内に取り込んだ放射性炭素14(¹⁴C)の残存量から、その生物が死亡した時期を推定する手法である。¹⁴Cは宇宙線が地球大気に含まれる窒素と反応して生成され、大気中の二酸化炭素に混入する。植物は光合成によって二酸化炭素を取り込み、動物は植物を食べることで¹⁴Cを取り込む。生物が死亡すると、¹⁴Cの取り込みが停止し、半減期約5730年で¹⁴Cは減衰していく。この減衰の度合いを測定することで、年代を推定することができる。
歴史
放射性炭素年代測定法の基礎は、1947年にウィラード・リビーによって確立された。リビーは、¹⁴Cの半減期を正確に測定し、この手法が考古学や地質学において非常に有効であることを示した。1960年にリビーは、この業績によりノーベル化学賞を受賞した。
測定方法
放射性炭素年代測定には、主に以下の2つの方法が用いられる。
- 従来の放射化学法: 試料中の¹⁴Cを分離・精製し、その放射能を直接測定する。この方法は、比較的大きな試料量が必要となる。
- 加速器質量分析法(AMS): 加速器を用いて¹⁴Cイオンを分離・計数する。AMSは、従来の放射化学法に比べて、はるかに少ない試料量で測定が可能であり、より正確な年代測定が可能である。
測定範囲と限界
放射性炭素年代測定法は、通常、約5万年前までの試料に対して有効である。それ以上の年代の試料に対しては、¹⁴Cの残存量が極めて少なくなり、正確な測定が困難となる。また、測定結果には誤差が含まれるため、年代の推定には注意が必要である。試料の汚染や、大気中の¹⁴C濃度の変動も、測定誤差の原因となる。
応用分野
放射性炭素年代測定法は、考古学、地質学、古生態学、海洋学など、幅広い分野で応用されている。遺跡の年代特定、過去の気候変動の解明、絶滅動物の年代推定などに利用されている。