成年保護(せいねんほご)
最終更新:2026/4/28
成年保護とは、判断能力が不十分な成年者に対し、財産管理や身上監護を行う制度である。
ポイント
成年保護は、成年後見制度の開始決定前に、緊急の財産管理や身上監護が必要な場合に、家庭裁判所が一時的に行う保護措置である。開始決定後も、成年後見人が就任するまでの間、成年保護が継続されることがある。
概要
成年保護は、民法に規定されている制度であり、判断能力が不十分な成年者(以下「成年者」という)の財産や生活を保護することを目的とする。成年後見制度とは異なり、成年保護は成年後見人の選任を求める申立てとは別に、家庭裁判所が職権または申立てに基づいて行う一時的な措置である。
適用されるケース
成年保護が適用されるケースとしては、以下のようなものが挙げられる。
- 認知症により判断能力が低下した場合
- 精神疾患により判断能力が低下した場合
- 脳卒中や頭部外傷により判断能力が低下した場合
- その他、判断能力が不十分となり、財産管理や身上監護を自ら行うことが困難な場合
手続き
成年保護の手続きは、原則として成年者の住所地を管轄する家庭裁判所で行われる。申立てを行うことができる者は、成年者本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長などである。申立てには、成年者の判断能力に関する医師の診断書や、財産状況を示す書類などが必要となる。
家庭裁判所は、申立ての内容や成年者の状況を調査し、成年保護の必要性を判断する。成年保護が認められると、家庭裁判所は、財産管理を行う保護者(保全監督人)を選任し、成年者の財産を管理する。また、身上監護が必要な場合は、身上監護人を選任し、成年者の生活を支援する。
成年後見制度との関係
成年保護は、成年後見制度の開始決定前に、緊急の保護措置として行われることが多い。成年後見人の選任が決定すると、成年保護は終了し、成年後見人が成年者の財産管理や身上監護を行うことになる。しかし、成年後見人が就任するまでの間、成年保護が継続されることもある。
注意点
成年保護は、成年者の権利を制限する可能性があるため、慎重な判断が必要である。家庭裁判所は、成年者の意思を尊重し、可能な限り成年者本人の判断を支援するように努める。