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産業予備軍(さんぎょうよびぐん)

最終更新:2026/4/11

資本主義社会において、失業状態にある労働者であり、生産の拡大期に吸収される可能性を持つ集団。

別名・同義語 失業予備軍余剰労働力

ポイント

産業予備軍は、経済状況によって雇用・失業を繰り返す労働者の層であり、労働市場の調整弁としての役割を担う。その存在は、資本主義の矛盾を浮き彫りにする。

産業予備軍とは

産業予備軍(industrial reserve army)とは、マルクス経済学における概で、資本主義社会において、常に一定の割合で存在し続ける失業状態にある労働者の集団を指します。これは、資本主義的生産様式が必然的に生み出す現象であり、経済の変動に応じてその規模が変化します。

産業予備軍の発生原因

産業予備軍の発生には、主に以下の要因が挙げられます。

  • 相対的過剰人口: 生産技術の進歩による労働生産性の向上は、必要とされる労働力の減少を招き、相対的に過剰な人口を生み出します。これは、同じ量の生産を行うために必要な労働時間が短縮されることで発生します。
  • 絶対的過剰人口: 資本の蓄積と集中が進むにつれて、中小企業が没落し、多くの労働者が職を失います。また、農業から工業への労働力移行が円滑に進まない場合にも、絶対的な過剰人口が発生します。
  • 循環的失業: 資本主義経済は、好況と不況を繰り返すため、景気変動に伴い、失業者が増減します。この循環的な失業も、産業予備軍の一部を構成します。

産業予備軍の機能

産業予備軍は、資本主義経済において、以下の重要な機能を果たします。

  • 労働市場調整: 好況期には、産業予備軍から労働者が吸収され、生産拡大を支えます。不況期には、産業予備軍が増加し、労働市場の過を防ぎます。
  • 賃金抑制: 産業予備軍の存在は、労働者の交渉力を弱め、賃金水準を抑制する効果があります。企業は、失業者が多ければ、より低い賃金で労働者を雇用できるため、労働コストを削減できます。
  • 規律維持: 産業予備軍は、雇用されている労働者に対する規律維持の役割も果たします。失業の恐怖は、労働者を企業に忠実に従わせ、ストライキなどの労働運動を抑制する効果があります。

現代社会における産業予備軍

現代社会においても、産業構造の変化やグローバル化の進展により、非正規雇用や失業者が増加しており、産業予備軍の存在は依然として重要な問題です。特に、AIやロボット技術の発展による自動化は、今後ますます多くの労働者を職から奪う可能性があり、産業予備軍の規模を拡大させる可能性があります。

批判と課題

産業予備軍の存在は、労働者の生活を不安定にし、社会的不平等を拡大させるという批判があります。そのため、失業対策やセーフティネットの強化、労働者の権利保護などが重要な課題となっています。

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