パーソンセンタードケア(ぱーそんせんたーどけあ)
最終更新:2026/4/28
パーソンセンタードケアは、患者一人ひとりの価値観、ニーズ、希望を尊重し、医療や福祉の提供において中心に据えるケアのあり方である。
別名・同義語 患者中心のケア個別化ケア
ポイント
従来の病名や症状に焦点を当てるのではなく、患者の人生全体を考慮し、主体的な意思決定を支援することを重視する。包括的なアプローチにより、患者のQOL向上を目指す。
概要
パーソンセンタードケア(Person-Centered Care:PCC)は、患者を単なる受診者としてではなく、個性と尊厳を持つ一人の人間として捉え、その人らしさを尊重したケアを提供する考え方です。近年、医療・福祉の現場でその重要性が認識され、実践が広がっています。
歴史的背景
PCCの概念は、1950年代にアメリカの精神科医カール・ロジャースの人格中心療法に端を発します。ロジャースは、クライアントの自己実現を促すために、共感的理解、無条件の受容、誠実性といった態度を重視しました。この考え方は、その後、医療や福祉の分野にも影響を与え、PCCの基礎となりました。
PCCの原則
PCCには、以下の原則があります。
- 個人の尊重: 患者の価値観、信念、文化、ライフスタイルを尊重します。
- 情報提供と共有: 患者が十分な情報を得た上で、自身のケアに関する意思決定に参加できるようにします。
- 共感的なコミュニケーション: 患者の感情や経験を理解し、共感的な態度で接します。
- 協働的な関係: 医療従事者と患者が協力し、共にケアの目標を設定し、進めていきます。
- 包括的なアプローチ: 患者の身体的、精神的、社会的なニーズを包括的に捉え、ケアを提供します。
PCCの実践例
- 患者の希望や目標を丁寧に聞き取り、ケアプランに反映させる。
- 患者が理解しやすい言葉で、病状や治療について説明する。
- 患者の家族や介護者を含めた、チームアプローチを実践する。
- 患者の意思決定を尊重し、可能な限り選択肢を提供する。
- 患者の生活の質(QOL)を評価し、改善のための支援を行う。
課題と展望
PCCを実践するためには、医療従事者の意識改革や、チーム間の連携強化、情報共有システムの整備など、様々な課題があります。しかし、PCCは、患者中心の医療・福祉を実現するための重要なアプローチであり、今後の発展が期待されます。