共産主義(きょうさんしゅぎ)
最終更新:2026/4/25
共産主義は、私有財産を否定し、生産手段の共同所有を通じて階級のない社会を実現することを目的とする政治・経済思想である。
ポイント
共産主義は、マルクス・エンゲルスによって体系化され、20世紀に多くの国で政治体制として採用された。現代では、その理論的・実践的な問題点から、多様な解釈が存在する。
共産主義の概要
共産主義は、資本主義に対する批判から生まれた社会主義思想の一つの形態であり、最終的には国家の消滅と、各人が能力に応じて働き、必要に応じて受け取る社会を目指す。この理想社会は「共産社会」と呼ばれ、階級、搾取、貧困といった問題が解決されると想定されている。
歴史的背景
共産主義の思想的源流は、古代ギリシャのプラトンや、中世の宗教的共同体などに遡る。しかし、現代的な共産主義思想は、19世紀のカール・マルクスとフリードリヒ・エンゲルスによって体系化された。彼らは『共産党宣言』(1848年)において、歴史を階級闘争の過程として捉え、プロレタリアート(労働者階級)による革命を通じて資本主義を打倒し、共産社会を実現することを提唱した。
主要な理論
共産主義の主要な理論には、以下のものがある。
- 唯物史観: 歴史を物質的な生産力の発展と、それに伴う社会構造の変化として捉える考え方。
- 剰余価値論: 資本家が労働者の労働によって生み出された剰余価値を搾取することで利益を得ているという理論。
- 階級闘争論: 社会を階級に分け、階級間の対立が歴史の推進力であると考える理論。
- プロレタリアート独裁: 革命後の過渡期において、プロレタリアートが権力を掌握し、資本主義勢力の抵抗を抑圧する必要があるという考え方。
共産主義国家の興亡
20世紀には、ロシア革命(1917年)を契機に、ソビエト連邦をはじめとする多くの国で共産主義政権が樹立された。しかし、計画経済の非効率性、政治的抑圧、冷戦などの要因により、20世紀末には多くの共産主義国家が崩壊または体制転換を余儀なくされた。現在、共産主義を標榜する国は、中国、キューバ、ベトナム、ラオス、北朝鮮などである。
現代における共産主義
現代において、共産主義は、その理論的・実践的な問題点から、様々な批判にさらされている。しかし、格差の拡大や環境問題など、資本主義社会が抱える問題に対する批判的な視点として、共産主義思想は依然として一定の影響力を持っている。また、共産主義の思想は、社会主義、マルクス主義、新左翼などの様々な思想運動に影響を与えている。