公共選択論(こうきょうせんたくろん)
最終更新:2026/4/19
公共選択論は、政治的意思決定を個人や集団の合理的選択の結果として分析する学問分野である。
別名・同義語 政治経済学合理的選択理論
ポイント
経済学の理論と手法を政治分析に応用し、政府や官僚の行動原理を解明しようとする。従来の政治学とは異なる視点を提供する。
公共選択論の概要
公共選択論は、1950年代にジェームズ・ブキャナンとゴードン・タロックによって提唱された。従来の政治学が、政治家や官僚を公共の利益を追求する存在として捉えていたのに対し、公共選択論は、彼らもまた自己利益を追求する合理的個人であると仮定する。この仮定に基づき、政治的意思決定のプロセスを分析することで、政府の失敗や非効率性を説明しようとする。
公共選択論の基本的な概念
公共選択論では、以下の概念が重要となる。
- 合理的選択: 個人や集団は、自身の効用を最大化するように行動する。
- 自己利益: 政治家や官僚も、自身の利益(例えば、再選、昇進、予算の増額など)を追求する。
- レント・シーキング: 特定の個人や集団が、政府の政策を通じて自身の利益を不当に増やす活動。
- 投票者の無知: 多くの有権者は、政治に関する十分な情報を持っていない。
公共選択論の応用
公共選択論は、様々な政治現象を説明するために応用されている。
- 予算の膨張: 政治家は、有権者からの支持を得るために、公共事業などの予算を増やす傾向がある。
- 規制の導入: 特定の業界は、競争を制限するために、政府に規制の導入を働きかける。
- 汚職: 政治家や官僚は、自身の利益のために、不正な行為を行うことがある。
公共選択論の批判
公共選択論は、その仮定や分析手法に対して、様々な批判を受けている。例えば、人間の行動を合理的なものとして単純化しすぎている、政治的な価値観を無視している、などが挙げられる。しかし、公共選択論は、政治分析に新たな視点を提供し、政府の行動原理を理解するための重要なツールとなっている。