普通選挙運動(ふつうせんきょううんどう)
最終更新:2026/4/11
全ての成年国民に選挙権を与えることを求める政治運動。財産や納税額などの制限を撤廃し、平等な選挙権の実現を目指した。
ポイント
大正から昭和初期にかけて活発化し、選挙権拡大を求める民衆の意志を政治に反映させる上で重要な役割を果たした。その後の日本民主主義の発展に大きく貢献した。
普通選挙運動の背景
普通選挙運動は、明治時代に成立した選挙法が、財産や納税額によって選挙権を制限していたことに起因する。当時の選挙権は、地主や富裕層に限定され、国民の大多数は政治に参加することができなかった。こうした状況に対し、自由民権運動などを通じて政治参加を求める声が高まり、普通選挙の実現を求める運動へと発展していった。
普通選挙運動の展開
大正時代に入ると、政党政治が発展し、普通選挙の必要性が議論されるようになった。1918年には、大正デモと呼ばれる大規模な民衆運動が発生し、米騒動を契機に普通選挙運動はさらに活発化した。労働組合や農民組合などの社会運動団体が中心となり、普通選挙実現を求める集会やデモ、請願活動などが展開された。
1925年には、男子普通選挙法が成立し、25歳以上の男子に選挙権が与えられた。しかし、女性や25歳未満の男子には選挙権が認められなかったため、普通選挙運動はその後も継続された。1930年代には、世界恐慌の影響で社会不安が高まり、普通選挙運動は再び活発化した。労働者や農民だけでなく、知識人や学生なども普通選挙運動に参加し、その声は社会全体に広がっていった。
女性普通選挙運動
普通選挙運動と並行して、女性普通選挙運動も展開された。女性の政治参加を求める運動は、明治時代から存在したが、大正時代に入ると、女性団体が中心となって組織的に活動するようになった。女性たちは、集会や講演会、署名活動などを通じて、女性の政治参加の必要性を訴え、女性普通選挙の実現を求めた。1945年、日本国憲法が公布され、20歳以上の男女に平等な選挙権が与えられたことで、女性普通選挙が実現した。
普通選挙運動の意義
普通選挙運動は、日本における民主主義の発展に大きく貢献した。財産や納税額などの制限を撤廃し、全ての成年国民に選挙権を与えることで、国民の政治参加を促進し、政治の正当性を高めた。また、普通選挙運動は、社会運動の発展にも貢献し、労働組合や農民組合などの社会運動団体が政治的な影響力を増すきっかけとなった。