多層ガバナンス(たそうがばなんす)
最終更新:2026/4/25
多層ガバナンスは、複数のレベルで相互に連携する意思決定構造を指す。
別名・同義語 複合ガバナンスネットワークガバナンス
ポイント
国家、地域、企業など、異なる主体がそれぞれの役割と責任を持ち、相互に影響を与え合いながら全体を統治する仕組み。
多層ガバナンスの概要
多層ガバナンスは、グローバル化の進展や社会問題の複雑化に対応するため、従来の単一主体によるガバナンス体制では対応が困難になった状況を背景に発展した概念である。単一の政府や組織が全ての意思決定を行うのではなく、複数のレベル(国際機関、国家、地方自治体、市民社会、企業など)の主体がそれぞれの役割を分担し、連携しながら問題解決に取り組むことを特徴とする。
多層ガバナンスの構成要素
多層ガバナンスを構成する要素としては、以下の点が挙げられる。
- 多様な主体: 政府、国際機関、地方自治体、企業、市民社会組織など、多様な主体がガバナンスに関与する。
- 相互依存性: 各主体は、互いに依存し合い、協力関係を築く必要がある。
- 権限の分散: 権限が単一の主体に集中せず、複数の主体に分散される。
- ネットワーク: 各主体は、ネットワークを通じて情報交換や意思調整を行う。
- 柔軟性: 社会の変化に対応するため、柔軟な意思決定プロセスが求められる。
多層ガバナンスの事例
多層ガバナンスの具体的な事例としては、気候変動対策、感染症対策、金融規制などが挙げられる。例えば、気候変動対策においては、国際的な枠組み(パリ協定など)の下、各国政府がそれぞれの削減目標を設定し、地方自治体や企業、市民社会が連携して目標達成に向けた取り組みを進めるという多層的な構造となっている。
多層ガバナンスの課題
多層ガバナンスは、多様な主体が関与することで、意思決定の複雑化や責任の所在の曖昧化といった課題も抱えている。また、各主体の利害対立や情報格差などが、ガバナンスの効率性を阻害する可能性もある。これらの課題を克服するためには、透明性の確保、情報共有の促進、主体間の信頼関係の構築などが重要となる。