人間の安全保障(にんげんのあんぜんほしょう)
最終更新:2026/4/19
人間の安全保障とは、国家による安全保障の概念に加え、貧困、紛争、環境破壊など、人間の生存、生活、尊厳を脅かす様々な要因からの保護を重視する考え方である。
別名・同義語 ヒューマン・セキュリティ人的安全保障
ポイント
1994年の UNDP(国連開発計画)の人間開発報告書で提唱され、従来の国家安全保障の枠組みを超え、個人に着目した安全保障の概念として注目を集めた。持続可能な開発目標(SDGs)とも密接に関連している。
人間の安全保障の概念
人間の安全保障は、国家安全保障の対象が国家であったのに対し、その対象を個人に置く点が特徴です。国家の主権や領土防衛といった従来の安全保障概念に加え、貧困、飢餓、疾病、災害、紛争、人権侵害、環境破壊など、人間の生存、生活、尊厳を脅かす様々な要因から個人を保護することを目的とします。
人間の安全保障の7つの柱
人間の安全保障は、以下の7つの柱から構成されます。
- 経済的安全保障:持続可能な生計手段の確保
- 食料安全保障:十分な食料へのアクセス
- 健康安全保障:疾病や感染症からの保護
- 環境安全保障:環境汚染や資源枯渇からの保護
- 人的安全保障:紛争、暴力、犯罪からの保護
- 共同体的安全保障:民族、宗教、文化などのアイデンティティの保護
- 政治的安全保障:人権の尊重と政治的自由の保障
人間の安全保障の歴史
人間の安全保障の概念は、冷戦終結後、紛争の多様化やグローバル化の進展を背景に、従来の安全保障概念の限界が認識される中で生まれました。1994年に UNDP が発表した「人間開発報告書」において、人間の安全保障が提唱され、国際的な注目を集めました。その後、国際連合や各国の政府、NGO などによって、人間の安全保障の推進に向けた取り組みが進められています。
人間の安全保障とSDGs
人間の安全保障の考え方は、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)と密接に関連しています。SDGs の多くの目標は、人間の安全保障の7つの柱に対応しており、人間の安全保障の実現は、SDGs の達成に不可欠であると考えられています。