不法行為法(ふほうこいじほう)
最終更新:2026/4/25
不法行為法は、他人の権利や法律上保護される利益を侵害した場合の損害賠償責任を定める法律である。
別名・同義語 民法709条不法行為責任
ポイント
明治32年に制定された日本初の民事責任法であり、過失による損害賠償の基礎となる。現在は民法に吸収されている。
概要
不法行為法(ふほうこいじほう、明治32年法律第89号)は、1898年(明治32年)に制定された日本の法律で、他人の権利または法律上保護される利益を侵害した場合の損害賠償責任について定めたものである。これは、日本で初めて民事上の不法行為について体系的に定めた法律であり、現代の民法(第709条以下)の不法行為責任の基礎となっている。
制定の背景
制定以前は、不法行為に関する責任は、主に慣習法や判例によって判断されていた。しかし、産業革命の進展に伴い、交通事故や工場事故など、新たな種類の不法行為が増加し、従来の法体系では対応が困難になってきた。そのため、明確な法的根拠を設ける必要性が高まり、不法行為法が制定された。
主要な規定
不法行為法は、以下の主要な規定を含んでいる。
- 第1条: 故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した場合、その損害を賠償する責任を負う。
- 第2条: 故意または重大な過失によって他人の生命または身体を侵害した場合、その損害を賠償する責任を負う。
- 第3条: 故意または過失によって他人の財産を侵害した場合、その損害を賠償する責任を負う。
民法への吸収
1947年(昭和22年)に公布された民法は、不法行為法の内容をほぼ完全に吸収し、第709条以下に不法行為責任に関する規定を設けた。現在では、不法行為法は民法の特別法としての性格を持つが、民法の規定が優先される。