進化ゲーム理論(しんかげーむりろん)
最終更新:2026/4/25
進化ゲーム理論は、生物の進化をゲーム理論の枠組みで分析する学問分野である。
別名・同義語 適応動的ゲーム理論生物ゲーム理論
ポイント
従来の自然選択説に加え、個体間の相互作用が進化に与える影響を重視する。経済学や社会学への応用も進んでいる。
概要
進化ゲーム理論は、生物学における進化のメカニズムを理解するために、1970年代にジョン・メイナード=スミスによって提唱された。従来の自然選択説は、個体が持つ形質が環境に適応しているかどうかによって進化が起こるとするが、進化ゲーム理論は、個体間の相互作用が進化に与える影響を重視する。特に、複数の戦略を持つ個体群において、それぞれの戦略がどのように進化していくかを分析する。
ゲーム理論との関係
進化ゲーム理論は、ゲーム理論の概念を生物学に応用したものである。ゲーム理論では、複数のプレイヤーが互いに戦略を選択し、その結果によって利得を得るという状況を分析する。進化ゲーム理論では、プレイヤーを個体、戦略を個体が持つ形質、利得を個体の繁殖成功度とみなす。これにより、生物の進化を数学的にモデル化し、予測することが可能になる。
代表的なモデル
進化ゲーム理論には、様々なモデルが存在する。代表的なものとしては、以下のものが挙げられる。
- 囚人のジレンマ: 協力と裏切りという2つの戦略を持つ個体群において、個体は自身の利得を最大化するために裏切りを選択する傾向があるが、全員が裏切りを選択すると、結果的に全員の利得が低下するというモデル。
- ハゲタカゲーム: 資源をめぐって争う個体群において、弱い個体は強い個体を避けることで生存確率を高めるが、全員が避けることで資源が十分に利用されないというモデル。
- 雪玉ゲーム: 協力的な行動が連鎖的に広がり、個体群全体に利益をもたらすというモデル。
応用分野
進化ゲーム理論は、生物学だけでなく、経済学、社会学、政治学など、様々な分野に応用されている。例えば、企業の競争戦略、社会規範の形成、政治的な駆け引きなどを分析するために用いられる。