重商主義(じゅうしょうしゅぎ)
最終更新:2026/4/11
国家の富を蓄積するために、輸出を奨励し輸入を制限する経済政策。貿易収支の黒字を重視する。
ポイント
16世紀から18世紀にかけてヨーロッパで主流となった経済思想であり、植民地獲得競争と密接に関わっていた。国家の権力強化を経済的な側面から支えることを目的とした。
重商主義の概要
重商主義(メルカンティリズム)は、16世紀から18世紀にかけてヨーロッパ諸国で採用された経済政策および経済思想の体系です。その基本的な考え方は、国家の富は金銀の保有量によって測られるというものであり、そのためには輸出を最大限に増やし、輸入を抑制して貿易収支を黒字にすることが重要であると考えられました。
重商主義の具体的な政策
重商主義的な政策は多岐にわたります。主なものとしては、以下のものが挙げられます。
- 関税の導入: 輸入品に高い関税を課すことで、国内産業を保護し、輸入を抑制しました。
- 輸出奨励策: 輸出業者への補助金や特権付与などにより、輸出を促進しました。
- 植民地政策: 植民地を確保し、そこから安価な原材料を輸入し、自国の製品を販売する市場として利用しました。
- 航海法: 特定の国の船による貿易のみを許可することで、自国の海運業を保護しました。
- 国内産業の育成: 国内の製造業を奨励し、輸入代替を進めました。
重商主義の背景と目的
重商主義が台頭した背景には、絶対王政の確立と、国家間の勢力争いが激化していた時代状況がありました。各国は、経済力を強化することで、軍事力を増強し、国際的な影響力を拡大しようとしました。重商主義は、国家の権力強化を経済的な側面から支えることを目的としていました。
重商主義の批判と衰退
重商主義は、その保護主義的な政策により、国際貿易を阻害し、経済成長を抑制するという批判を受けました。18世紀後半から19世紀にかけて、アダム・スミスなどの経済学者によって自由貿易の重要性が提唱され、重商主義は徐々に衰退していきました。しかし、現代においても、保護貿易主義的な政策は依然として存在しており、重商主義の考え方の影響は残っています。
重商主義と現代
現代の経済政策においても、国家の利益を優先する考え方は見られます。例えば、特定の産業を保護するための補助金や関税、貿易交渉における自国に有利な条件の獲得などは、重商主義的な要素を含んでいると言えるでしょう。