厚生経済学(こうせいけいざいがく)
最終更新:2026/4/25
厚生経済学は、資源配分の効率性と公平性を分析する経済学の一分野である。
別名・同義語 福祉経済学社会厚生論
ポイント
厚生経済学は、市場の失敗や政府の介入が社会全体に与える影響を評価し、より良い社会を実現するための政策提言を行うことを目的とする。
厚生経済学とは
厚生経済学は、経済学の一分野であり、資源配分の効率性と公平性を分析することを目的とします。従来の経済学が主に効率性に焦点を当ててきたのに対し、厚生経済学は効率性に加えて、所得分配の公平性や社会福祉の向上といった問題にも関心を払います。
歴史的背景
厚生経済学の基礎は、19世紀末のアルフレッド・マーシャルやアーサー・ピグーの功績に遡ります。ピグーは、市場の失敗(外部不経済など)が存在する場合、政府の介入が必要であることを示しました。その後、ケネス・アローやジェラール・ドブルーなどの研究者によって、厚生経済学は大きく発展しました。
主要な概念
- パレート効率性: 資源配分がパレート効率的であるとは、誰かの効用を低下させることなく、他の誰かの効用を向上させることができない状態を指します。
- 外部性: ある経済主体の行動が、他の経済主体の効用に影響を与えることを外部性といいます。外部性は、正の外部性(良い影響)と負の外部性(悪い影響)に分けられます。
- 公共財: 非競合性と非排除性を持つ財を公共財といいます。公共財は、市場メカニズムを通じて効率的に供給されないため、政府の介入が必要となる場合があります。
- 社会厚生関数: 社会全体の厚生を測る指標です。様々な社会厚生関数が存在し、所得分配の公平性を重視する関数もあれば、効率性を重視する関数もあります。
応用分野
厚生経済学は、様々な分野に応用されています。例えば、環境経済学、医療経済学、労働経済学、公共政策などです。これらの分野では、厚生経済学の理論を用いて、政策の評価や改善が行われています。
近年の動向
近年では、行動経済学の知見を取り入れた厚生経済学の研究が進んでいます。行動経済学は、人間の心理的な側面を考慮した経済学であり、従来の経済学の仮定を修正することで、より現実的な分析が可能になります。