トリプルヘリックスモデル(とりぷるへりっくすもでる)
最終更新:2026/4/25
トリプルヘリックスモデルは、組織における知識創造を説明する理論であり、知識の生成・伝達・統合の相互作用を螺旋構造で表現する。
別名・同義語 知識螺旋モデルSECIモデル
ポイント
このモデルは、組織学習とイノベーションの促進における知識の役割を強調し、暗黙知・形式知の相互変換を重視する。
トリプルヘリックスモデルの概要
トリプルヘリックスモデルは、組織における知識創造のプロセスを理解するためのフレームワークであり、1998年に日本の経営学者、野中郁次郎によって提唱された。このモデルは、組織内の知識創造を、知識の生成、伝達、統合という3つの要素が相互に作用し、螺旋状に発展していくプロセスとして捉える。
知識創造の3つの要素
- 生成 (Socialization): 個人が持つ暗黙知(経験やノウハウ)が、他の個人とのコミュニケーションを通じて共有されるプロセス。例えば、師弟関係やOJTなどが該当する。
- 伝達 (Externalization): 暗黙知が形式知(言語化された知識)に変換されるプロセス。例えば、会議での議論や報告書の作成などが該当する。
- 統合 (Combination): 形式知同士が組み合わされ、新たな形式知が生まれるプロセス。例えば、データベースの構築や研究論文の発表などが該当する。
これらの3つの要素は、それぞれが独立して存在するのではなく、相互に影響し合いながら知識創造を促進する。そして、このプロセスが繰り返されることで、組織全体の知識基盤が強化され、イノベーションが生まれるとされている。
モデルの応用
トリプルヘリックスモデルは、組織学習、イノベーションマネジメント、知識マネジメントなど、様々な分野で応用されている。特に、組織内の知識共有を促進し、暗黙知を形式知化するための具体的な施策を検討する際に役立つ。
批判と課題
トリプルヘリックスモデルは、そのシンプルさと分かりやすさから広く受け入れられている一方で、いくつかの批判も存在する。例えば、知識創造のプロセスを単純化しすぎている、組織文化やリーダーシップの役割を十分に考慮していない、といった点が指摘されている。しかし、これらの批判を踏まえつつ、トリプルヘリックスモデルは、組織における知識創造を理解するための有用なフレームワークとして、依然として重要な役割を果たしている。