中央銀行デジタル通貨(ちゅうおうぎんこうでじたるつうか)
最終更新:2026/4/11
中央銀行が発行するデジタル化された法定通貨。現金の電子版として中央銀行の負債として管理され、広範な決済手段として利用されるものを指す。(72文字)
別名・同義語 シービーディーシーデジタル円
ポイント
現金同等の利便性と安全性をデジタル環境で提供する次世代の通貨形態です。既存の預金通貨とは異なり、中央銀行が直接発行主体となる点が最大の特徴です。
概要
中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは、中央銀行の債務として発行されるデジタル形式の法定通貨です。一般的に、物理的な現金を代替または補完するものとして構想されており、中央銀行が直接、あるいは民間金融機関を介して発行・管理を行います。
従来の民間銀行が提供する預金通貨とは異なり、CBDCは「中央銀行への直接的な請求権」という性質を持ちます。このため、金融機関の信用リスクを排除できる極めて安全な決済手段として、デジタル経済における新たな通貨インフラとして世界各国で研究開発が進められています。
主な特徴・機能
- 法的強制通用力: 法定通貨として、強制的な受領義務や支払い手段としての正当性が担保されている。
- 中央銀行の直接負債: 民間銀行預金とは異なり、発行体である中央銀行の信用に基づくため、カウンターパーティリスクが存在しない。
- 即時決済性: ブロックチェーンや分散型台帳技術(DLT)の活用により、24時間365日のリアルタイム決済が期待されている。
- 金融包摂の推進: 銀行口座を持たない層に対しても、デジタル環境を介した金融サービスへのアクセス機会を提供する。
歴史・背景
2000年代後半以降の暗号資産(仮想通貨)の台頭と、それに続くステーブルコインの普及が開発の引き金となりました。特に2010年代後半、中国でのキャッシュレス化の急速な進展や、Facebook(現Meta)による「Libra(現Diem)」構想の発表を契機に、各国の中央銀行は通貨主権の維持を目的に本格的な研究を加速させました。国際決済銀行(BIS)を中心とした国際的な連携も深化しており、現在は多くの国で実証実験が進められています。
社会的影響・応用事例
- 中国のデジタル人民元(e-CNY): すでに国内の複数の都市で実証実験が展開され、決済インフラとしての実用性が広く検証されている。
- バハマのサンドドル: 世界で初めて本格導入されたCBDC。島嶼国における決済利便性の向上と金融包摂を目的としている。
- 日本銀行のCBDC実証実験: 「デジタル円」の実現可能性を検証するため、技術的実験と民間事業者との連携によるユースケースの検討を行っている。
関連概念
- 法定通貨: 国家が発行し、法的な支払い能力を保障する通貨。CBDCはそのデジタル版にあたる。
- 暗号資産: 分散型技術を用いたデジタル価値記録。中央銀行が発行主体ではない点でCBDCとは決定的に異なる。
- 分散型台帳技術(DLT): 取引記録を複数のノードで分散管理する技術。CBDCの基盤システムとして有力視されている。