財政乗数(ざいせいじょうすう)
最終更新:2026/4/22
財政乗数とは、政府支出の増加が、最終的に国民所得をどれだけ増加させるかを示す指標である。
別名・同義語 政府支出乗数乗数効果
ポイント
財政乗数は、政府支出の効果を測る上で重要な概念であり、景気対策の有効性を判断する材料となる。その値は、経済状況や消費性向によって変動する。
財政乗数の概要
財政乗数とは、政府が公共事業などの支出を増やした場合、その支出が経済全体に波及し、最終的にどれだけの国民所得の増加をもたらすかを示す指標です。例えば、財政乗数が2であれば、100億円の政府支出増加が、最終的に200億円の国民所得増加につながると考えられます。
財政乗数の計算方法
財政乗数は、以下の式で計算されます。
財政乗数 = 1 / (1 - 限界消費性向)
ここで、限界消費性向とは、所得が1単位増加したときに、消費がどれだけ増加するかを示す指標です。例えば、限界消費性向が0.8であれば、所得が100円増加すると、消費が80円増加します。
財政乗数の種類
財政乗数には、以下の種類があります。
- 単純財政乗数: 税金や輸入の影響を考慮しない、最も基本的な財政乗数。
- 租税財政乗数: 税金の影響を考慮した財政乗数。税金が増加すると、可処分所得が減少し、消費が抑制されるため、財政乗数は小さくなります。
- 輸入財政乗数: 輸入の影響を考慮した財政乗数。輸入が増加すると、国内の生産が抑制されるため、財政乗数は小さくなります。
財政乗数の限界
財政乗数は、あくまで理論的な指標であり、現実の経済では様々な要因によってその効果が変動します。例えば、企業の投資意欲が低い場合や、消費者のマインドが悲観的な場合、財政乗数は小さくなる可能性があります。また、財政乗数は、短期的な効果を測る指標であり、長期的な効果は考慮されていません。
財政乗数の活用
財政乗数は、政府が景気対策を検討する際に、その効果を予測するために活用されます。しかし、財政乗数は、あくまで予測指標であり、その結果を鵜呑みにすることは危険です。政府は、財政乗数だけでなく、様々な経済指標を総合的に判断し、適切な景気対策を講じる必要があります。