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象徴干渉スペクトル(しょうちょうかんしょうすぺくとる)

最終更新:2026/4/23

象徴干渉スペクトルは、分子の振動モードと光の干渉を利用して分子構造を解析する赤外分光法の一種である。

別名・同義語 振動円二色性

ポイント

この手法は、特に複雑な分子の構造決定に有効であり、従来の赤外分光法では得られない詳細な情報を提供する。

概要

象徴干渉スペクトル(Vibrational Circular Dichroism: VCD)は、分子の振動スペクトルにおける円二色性(CD)を測定する手法である。VCDは、分子のキラリティー(不斉性)に依存して生じるため、キラル分子の絶対配置決定や立体構造解析に有用である。従来の赤外分光法では、分子の振動モードを特定できるものの、立体化学的な情報は得られにくい。VCDを用いることで、分子の三次元構造に関する情報を得ることが可能となる。

原理

VCDは、分子が円偏光を吸収する際の吸収強度の差を測定する。この吸収強度の差は、分子の振動モードと分子のキラリティーの相互作用によって生じる。具体的には、分子の振動モードが、分子のキラリティーによって誘起される電場と相互作用することで、VCD信号が発生する。VCD信号の形状と強度は、分子の立体構造に依存するため、VCDスペクトルを解析することで、分子の立体構造を決定することができる。

測定方法

VCDスペクトルは、通常、近赤外光または中赤外光を用いて測定される。測定には、特殊なVCD分光計が必要となる。VCD分光計は、円偏光を生成し、分子を透過させた光の吸収強度の差を測定する。測定サンプルは、溶液、固体、または気体として使用することができる。

応用例

VCDは、様々な分野で応用されている。例えば、医薬品、天然物、高分子などのキラル分子の立体構造解析に用いられる。また、タンパク質や核酸などの生体分子の構造解析にも応用されている。近年では、計算化学との組み合わせにより、VCDスペクトルの理論計算が可能となり、実験結果との比較による構造決定の精度が向上している。

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