副業(ふくぎょう)
最終更新:2026/4/11
本業の傍らで継続的に従事する別の仕事のこと。雇用契約による賃金労働やフリーランスとしての業務など、収入を得る手段を本業以外にも持つ就業形態を指す。
別名・同義語 兼業ダブルワークサイドハッスル
ポイント
労働者のキャリア形成や所得向上の機会となる一方、労働時間の適正管理や企業側の労務管理といった課題を内包している。
概要
副業とは、主たる生計維持の手段である本業を持ちながら、これとは別に継続的な収入を得る目的で従事する仕事を指す。日本の労働法制においては、かつて「副業は原則禁止」という価値観が根強かったが、働き方改革の推進とともに個人のキャリア形成やリスク分散の観点からその重要性が再認識されている。
近年では、インターネットの普及により遠隔地からの業務受託や、クラウドソーシングを通じたスキルの提供が容易となった。これにより、個人の専門性を本業以外の領域で活かす「パラレルキャリア」という概念も普及しつつあり、労働者の自律的な働き方が推奨されるようになっている。
主な特徴・機能
- 多様なキャリア開発: 本業では得られない知見や人脈を構築し、個人の人的資本を最大化する。
- リスクの分散: 一つの企業への依存度を下げ、本業の不況や廃業といったリスクに対する経済的セーフティネットとなる。
- スキルの社会還元: 専門的な知識を持つ人材が、複数の組織へノウハウを提供することで社会的課題の解決を促進する。
- 柔軟な時間管理: 自身の余暇時間を活用し、就業場所や時間に縛られない柔軟な稼働形態を実現できる。
歴史・背景
高度経済成長期からバブル経済期にかけての日本企業では、終身雇用制度が一般的であり、従業員には企業への専念が求められていた。しかし、2010年代以降の少子高齢化による労働力不足や、終身雇用制の形骸化を背景に、政府は「働き方改革実行計画」を策定。2018年には厚生労働省がモデル就業規則を改定し、「原則禁止」から「副業・兼業を認める方向」へと規定を見直した。これにより、副業を解禁する企業が急増し、現代の労働市場において標準的な働き方の一つとして認知されるに至った。
社会的影響・応用事例
- ITエンジニアの技術顧問: 本業を持つITエンジニアが、週数時間の稼働でスタートアップ企業の技術指導やアドバイザリー業務を行う事例。
- 地方創生と兼業: 都市部に勤務する会社員が、地方自治体や農家とのプロジェクトに参加し、広報や企画等のノウハウを提供する「副業による地域活性化」。
- 専門資格の活用: 医師や弁護士が本業の傍らでメディアの監修やコンサルティングを行い、自身の知見を社会に還元する事例。
関連概念
- 兼業: 副業とほぼ同義であるが、より「複数の組織で役職や責任を伴って従事する」というニュアンスが強い。
- パラレルキャリア: 利益目的だけでなく、自己実現や社会貢献を主目的として複数のキャリアを並行して築く生き方。
- ギグワーク: 単発の仕事を請け負う働き方で、継続的な労働契約を結ぶ副業とは区別されることがある。