核抑止論(かくよくしろん)
最終更新:2026/4/19
核抑止論とは、核兵器の保有や配備によって、他国からの核攻撃を阻止しようとする考え方である。
別名・同義語 核抑止
ポイント
核抑止論は、相互確証破壊(MAD)の概念と密接に関連しており、核兵器による報復能力が攻撃を抑止するとされる。しかし、その有効性については議論がある。
核抑止論の概要
核抑止論は、冷戦時代にアメリカ合衆国とソビエト連邦の間の核兵器競争の中で発展した。その基本的な考え方は、自国が核攻撃を受けた場合、相手国に対して確実に壊滅的な報復攻撃を行う能力を持つことで、相手国からの先制攻撃を抑止するというものである。この報復能力は、相手国が攻撃を実行した場合の損害が大きすぎると判断させることで、攻撃を思いとどまらせる効果を持つとされている。
核抑止の形態
核抑止には、いくつかの形態が存在する。
- 相互確証破壊(MAD): 両国が互いに相手国を完全に破壊できる能力を持つことで、核戦争の開始自体を抑止する。これは、核戦争が両国にとって破滅的な結果をもたらすという認識に基づいている。
- 限定的抑止: 特定の状況下でのみ核兵器を使用する、あるいは限定的な目標に対してのみ核攻撃を行うという考え方。これにより、エスカレーションのリスクを低減しようとする。
- 拡大抑止: 同盟国に対する核攻撃を自国に対する攻撃とみなし、同盟国を防衛するために核兵器を使用する可能性を示すことで、同盟国からの攻撃を抑止する。
核抑止論への批判
核抑止論は、いくつかの点で批判されている。まず、誤算や偶発的な事故によって核戦争が勃発するリスクがあるという点が挙げられる。また、核兵器の拡散によって、より多くの国が核兵器を保有するようになり、核戦争のリスクが高まるという懸念もある。さらに、核抑止論は、核兵器の存在を正当化し、核軍縮を妨げるという批判もある。
近年の動向
近年、核兵器禁止条約の採択や、核兵器保有国の核兵器近代化競争など、核抑止論をめぐる状況は変化している。また、テロリストによる核兵器の使用や、サイバー攻撃による核兵器システムの制御不能化など、新たな脅威も出現している。