エージェントベースモデル(えーじぇんとべーすもでる)
最終更新:2026/4/25
エージェントベースモデルは、自律的なエージェントの相互作用を通して複雑なシステムをシミュレーションする計算モデルである。
別名・同義語 個別エージェントモデルボトムアップモデリング
ポイント
各エージェントは単純なルールに従って行動し、その集団行動から創発的な現象を観察することが特徴である。社会科学、生物学、経済学など幅広い分野で応用されている。
エージェントベースモデルとは
エージェントベースモデル(ABM)は、個々のエージェントの行動と相互作用に焦点を当てて、システム全体の振る舞いを理解しようとするモデリング手法です。従来のシステムモデリングとは異なり、ABMはトップダウンのアプローチではなく、ボトムアップのアプローチを採用します。つまり、システム全体を直接モデル化するのではなく、個々のエージェントのルールを定義し、それらのエージェントが相互作用することでシステム全体の挙動がどのように生まれるかを観察します。
エージェントの定義
エージェントとは、環境を認識し、その環境に基づいて行動を選択できる自律的な存在です。ABMにおけるエージェントは、人、動物、組織、細胞など、様々なものを表現できます。各エージェントは、自身の状態、行動ルール、および他のエージェントとの相互作用ルールを持っています。
エージェントベースモデルの応用分野
ABMは、複雑なシステムを理解するための強力なツールとして、様々な分野で応用されています。
- 社会科学: 人口動態、都市計画、交通流、社会ネットワークの形成などをモデル化。
- 生物学: 群集行動、生態系、免疫システムなどをモデル化。
- 経済学: 市場のダイナミクス、金融市場、サプライチェーンなどをモデル化。
- 疫学: 感染症の拡散、ワクチン接種の効果などをモデル化。
- 防災: 避難行動、災害時の情報伝達などをモデル化。
エージェントベースモデルの利点と課題
利点:
- 複雑なシステムの創発的な振る舞いを理解できる。
- 個々のエージェントの異質性を考慮できる。
- 現実世界の複雑さを比較的容易に表現できる。
課題:
- モデルのパラメータ調整が難しい。
- 計算コストが高い場合がある。
- モデルの妥当性検証が難しい。