遺伝相マップ(いでんそうまっぷ)
最終更新:2026/4/22
遺伝相マップは、遺伝子座間の組換え頻度に基づいて作成される、染色体上の遺伝子の相対的な位置を示す地図である。
ポイント
遺伝相マップは、遺伝子間の距離をセンチモルガン(cM)という単位で表し、遺伝育種や遺伝病の研究に利用される。組換え頻度が高いほど遺伝子間の距離は離れている。
遺伝相マップとは
遺伝相マップ(linkage map)は、染色体上の遺伝子座間の相対的な距離と配置を示す地図です。このマップは、遺伝子間の組換え頻度に基づいて作成されます。組換えとは、減数分裂の際に相同染色体間で遺伝物質が交換される現象であり、その頻度は遺伝子間の距離に比例します。
組換え頻度と距離
組換え頻度が高いほど、遺伝子間の距離は離れていると考えられます。この関係を利用して、遺伝子間の距離をセンチモルガン(cM)という単位で表します。1 cMは、1%の組換え頻度を示す距離として定義されます。例えば、2つの遺伝子間の組換え頻度が10%であれば、それらの遺伝子間の距離は10 cMとなります。
遺伝相マップの作成方法
遺伝相マップの作成には、交配実験やDNAマーカーを用いた解析が用いられます。交配実験では、異なる表現型を持つ個体を交配させ、次世代の表現型の分離比を観察することで、遺伝子間の組換え頻度を推定します。DNAマーカーを用いた解析では、染色体上の特定の場所に存在するDNA配列の変異(多型)を利用して、遺伝子座間の距離を測定します。
遺伝相マップの応用
遺伝相マップは、遺伝育種や遺伝病の研究に広く応用されています。遺伝育種においては、目的とする形質に関わる遺伝子座を特定し、それらの遺伝子座間の距離を把握することで、効率的な品種改良が可能になります。遺伝病の研究においては、遺伝病の原因となる遺伝子座を特定し、その遺伝子座と他の遺伝子座との関係を調べることで、遺伝病の発症メカニズムの解明や遺伝子治療の開発に役立てられます。
遺伝相マップと物理マップ
遺伝相マップは、遺伝子間の組換え頻度に基づいて作成されるため、遺伝子座間の実際の物理的な距離とは異なる場合があります。実際の物理的な距離を示す地図を物理マップ(physical map)と呼びます。物理マップは、DNA配列の解析に基づいて作成されます。