緩和ケア(かんわけあ)
最終更新:2026/4/25
緩和ケアは、生命を脅かす病気に伴う苦痛を和らげ、患者とその家族の生活の質を向上させるための多職種によるアプローチである。
ポイント
緩和ケアは、病気の治癒を目指す治療と並行して行われることが多く、身体的、精神的、社会的な苦痛に対応する包括的なケアを提供する。
緩和ケアの概要
緩和ケアは、がんなどの生命を脅かす病気に伴う、痛み、吐き気、呼吸困難などの身体的な苦痛だけでなく、不安、抑うつ、孤独感などの精神的な苦痛、経済的な問題、社会的な孤立などの社会的な苦痛にも対応する包括的なケアです。患者とその家族が、自分らしく、より良い生活を送れるように支援することを目的としています。
緩和ケアの歴史
緩和ケアの概念は、1960年代にイギリスのシシーリー・サウンダース医師によって提唱されました。サウンダース医師は、ホスピス運動を通じて、終末期患者の苦痛緩和と精神的なケアの重要性を訴えました。その後、緩和ケアは世界的に普及し、現在では、がんだけでなく、心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの様々な疾患の患者に対しても提供されています。
緩和ケアの対象となる患者
緩和ケアは、病気の診断時、治療中、治療後、そして終末期に至るまで、あらゆる段階で提供することができます。特に、以下のような患者にとって有効です。
- 重度の痛みがある患者
- 吐き気や嘔吐などの症状に苦しんでいる患者
- 呼吸困難などの症状に苦しんでいる患者
- 不安や抑うつなどの精神的な苦痛を感じている患者
- 経済的な問題や社会的な孤立に直面している患者
緩和ケアを提供するチーム
緩和ケアは、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、臨床心理士、チャプレンなど、多職種によるチームによって提供されます。それぞれの専門家が、患者の状態に合わせて、最適なケアを提供します。
緩和ケアと終末期ケアの違い
緩和ケアは、病気の診断時から提供できるのに対し、終末期ケアは、患者の余命が限られている段階で提供されます。また、緩和ケアは、病気の治癒を目指す治療と並行して行われることがありますが、終末期ケアは、治癒を目的とした治療を諦め、苦痛緩和と精神的なケアに重点を置きます。