ヘリウム融合過程(へりうむゆうごかてい)
最終更新:2026/4/22
ヘリウム融合過程は、恒星内部でヘリウム原子核が融合し、炭素原子核を生成する核融合反応である。
別名・同義語 トリプルアルファ過程3α過程
ポイント
この過程は、恒星の進化において重要な段階であり、赤色巨星の段階を経て炭素星へと進化する過程で起こる。質量が太陽の約0.5倍以上の恒星で起こりうる。
ヘリウム融合過程の概要
ヘリウム融合過程は、主系列星段階で水素を使い果たした恒星が、中心核の温度と密度を高めることで開始される核融合反応です。この過程では、ヘリウム原子核(アルファ粒子)が3つ融合し、炭素原子核を生成します。この反応は、トリプルアルファ過程と呼ばれます。
トリプルアルファ過程の詳細
トリプルアルファ過程は、以下の2段階で進行します。
- まず、2つのヘリウム原子核が融合し、ベリリウム8(⁸Be)を生成します。⁸Beは非常に不安定であり、すぐに分裂するため、この反応は非常に稀です。
- ⁸Beが別のヘリウム原子核と融合し、炭素12(¹²C)を生成します。この反応は、⁸Beが分裂する前に起こる必要があり、そのため高い温度と密度が必要です。
ヘリウム融合過程が起こる条件
ヘリウム融合過程が起こるためには、中心核の温度が約1億ケルビン以上である必要があります。この温度に達するためには、恒星が水素を使い果たし、中心核が収縮して密度を高める必要があります。この過程で、恒星は赤色巨星へと進化します。
ヘリウム融合過程後の進化
ヘリウム融合過程によって生成された炭素は、さらに質量が十分な恒星では、炭素融合過程へと進み、より重い元素が生成されます。しかし、太陽程度の質量を持つ恒星では、炭素融合過程を開始するほどの温度と密度に達することはできず、炭素星として進化の終焉を迎えます。
観測的証拠
ヘリウム融合過程の存在は、赤色巨星のスペクトル観測によって確認されています。炭素12の存在比や、特定の元素の存在比から、ヘリウム融合過程が起こっていることが示唆されています。