炭素回収(たんそかいしゅう)
最終更新:2026/4/25
炭素回収とは、大気中や産業活動から排出される二酸化炭素を回収し、地中貯留や資源利用することを指す技術である。
別名・同義語 二酸化炭素回収CCS
ポイント
地球温暖化対策の重要な手段として注目されており、排出源からの回収と大気からの回収の二種類がある。回収された炭素は、貯留だけでなく、化学製品の原料としても活用される。
炭素回収の概要
炭素回収(Carbon Capture)は、地球温暖化の主要な原因である二酸化炭素(CO2)を、大気中または排出源から分離・回収し、地中深くに貯留したり、他の用途に利用したりする技術の総称です。気候変動対策における重要な戦略の一つとして、世界中で研究開発が進められています。
炭素回収の種類
炭素回収は、大きく分けて以下の二つの種類があります。
- 排出源からの回収(Post-Combustion Capture, Pre-Combustion Capture, Oxy-Fuel Combustion Capture): 発電所や工場などの排出源からCO2を直接回収する方法です。燃焼後の排ガスからCO2を分離するPost-Combustion Captureが最も一般的ですが、燃焼前に燃料を改質してCO2を分離するPre-Combustion Captureや、酸素を用いて燃焼させて高濃度のCO2を得るOxy-Fuel Combustion Captureも存在します。
- 大気からの回収(Direct Air Capture, DAC): 大気中に拡散したCO2を直接回収する方法です。排出源からの回収に比べてCO2濃度が低いため、より高度な技術が必要となります。
炭素の貯留と利用
回収されたCO2は、主に以下の方法で処理されます。
- 地中貯留(Geological Storage): CO2を地下の地層に圧入し、長期間貯留する方法です。油田やガス田、帯水層などが利用されます。
- 資源利用(Carbon Capture and Utilization, CCU): CO2を化学製品の原料として利用する方法です。メタノール、尿素、プラスチックなどの製造に利用できます。
炭素回収の課題
炭素回収技術は、地球温暖化対策に貢献する可能性を秘めていますが、いくつかの課題も存在します。
- コスト: 回収・貯留・利用にかかるコストが高く、経済的な実現性が課題となります。
- エネルギー消費: CO2の分離・回収にはエネルギーが必要であり、そのエネルギー源の選択が重要となります。
- 貯留場所の確保: 地中貯留には、適切な地層の確保が必要です。