オゾン層(おぞんそう)
最終更新:2026/4/25
オゾン層は、地球大気中の成層圏に存在するオゾン濃度が高い領域であり、有害な紫外線を吸収する役割を持つ。
ポイント
オゾン層の破壊は、皮膚がんや生態系への影響が懸念される。モントリオール議定書により、オゾン層破壊物質の削減が進められている。
オゾン層とは
オゾン層は、地球を取り巻く大気圏の成層圏に位置し、地上から約15km~50kmの高度に分布する。この層には、酸素分子(O₂)が紫外線によって分解され生成されるオゾン(O₃)が比較的多く存在している。オゾンは、波長が短い紫外線(UV-B、UV-C)を強く吸収する性質があり、地球上の生物にとって有害な紫外線を遮断する重要な役割を果たしている。
オゾン層の役割
オゾン層が紫外線を吸収することで、地表に到達する紫外線の量を減らし、生物への悪影響を抑制している。紫外線は、皮膚がん、白内障、免疫機能の低下などを引き起こす可能性がある。また、植物の光合成を阻害したり、海洋生態系に影響を与えたりすることも知られている。
オゾン層破壊の原因
1980年代に、オゾン層が破壊されていることが発見された。その原因は、主に人間活動によって大気中に放出された化学物質である。特に、フロン類(クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボンなど)や、四塩化炭素、メチルブロマイドなどがオゾン層破壊物質として特定された。これらの物質は、大気中で分解され、触媒として働き、オゾンを破壊する。
オゾン層保護の取り組み
オゾン層破壊の問題に対処するため、国際的な取り組みが進められてきた。1987年に採択されたモントリオール議定書は、オゾン層破壊物質の生産と消費を段階的に削減することを目的とした国際条約である。この議定書に基づき、各国はオゾン層破壊物質の使用を規制し、代替物質の開発を促進してきた。その結果、大気中のオゾン層破壊物質の濃度は減少し、オゾン層の回復傾向が見られる。
近年の状況と課題
モントリオール議定書の効果により、オゾン層の破壊は抑制されつつあるが、依然として課題は残されている。例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、オゾン層を破壊しない代替物質として使用されてきたが、強力な温室効果ガスであることが判明した。そのため、キガリ改正により、HFCの削減目標が設定された。また、途上国におけるオゾン層破壊物質の違法な生産や取引も問題となっている。