遺伝暗号(いでんあんごう)
最終更新:2026/4/22
遺伝情報は、DNAまたはRNAの塩基配列によってコード化され、タンパク質合成の設計図として機能する。
別名・同義語 遺伝コードコドン
ポイント
遺伝暗号は、生物の形質を決定するタンパク質をコード化する普遍的なルールであり、生物種を超えて共通している。
遺伝暗号とは
遺伝暗号は、DNAまたはRNAの塩基配列が、タンパク質を構成するアミノ酸の配列を決定するルールです。この暗号は、生物の遺伝情報を伝達し、生命活動を維持するために不可欠な役割を果たします。
遺伝暗号の基本原理
遺伝暗号は、コドンと呼ばれる3つの塩基の組み合わせによって構成されます。4種類の塩基(アデニン、グアニン、シトシン、チミン/ウラシル)を用いることで、43 = 64種類のコドンが可能です。しかし、実際には20種類のアミノ酸しか存在しないため、一つのアミノ酸が複数のコドンによって指定されることがあります。これを縮重性といいます。
コドンの種類
64種類のコドンは、以下の3つのカテゴリに分類されます。
- 開始コドン: タンパク質合成の開始信号となるコドン(通常はAUG)。メチオニンを指定します。
- 終止コドン: タンパク質合成の終了信号となるコドン(UAA、UAG、UGA)。アミノ酸を指定しません。
- アミノ酸指定コドン: 特定のアミノ酸を指定するコドン。縮重性を持つため、一つのアミノ酸に対して複数のコドンが存在します。
遺伝暗号の普遍性
遺伝暗号は、ほぼ全ての生物種において共通しています。これは、地球上の生命が共通の祖先から進化したことを示す強力な証拠の一つです。ただし、ミトコンドリアや一部の微生物では、標準的な遺伝暗号とは異なる変異が見られることがあります。
遺伝暗号の解読
遺伝暗号の解読は、20世紀半ばに分子生物学の分野で大きな進歩を遂げました。マーシャル・ニレンバーグ、ハル・コバー、セベロ・オチョアらは、コドンとアミノ酸の対応関係を明らかにし、1968年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。