遺伝率(いでんりつ)
最終更新:2026/4/22
遺伝率は、形質における個体間差の程度が、遺伝的要因によってどれだけ説明できるかを示す統計量である。
ポイント
遺伝率は、環境要因の影響を考慮せずに、遺伝的要因の相対的な重要性を示す指標として用いられる。値が高いほど、その形質は遺伝的要因の影響を受けやすいことを意味する。
遺伝率の概要
遺伝率は、量的形質(身長、体重など)や、二値形質(病気の罹患の有無など)において、その形質の個体間差が遺伝的要因と環境的要因のどちらに由来するかを推定するための指標です。遺伝率は0から1の値をとり、1に近いほど遺伝的要因の影響が大きく、0に近いほど環境的要因の影響が大きいことを示します。
遺伝率の算出方法
遺伝率は、一般的に以下の式で算出されます。
遺伝率 = (遺伝分散 / 全分散)
ここで、遺伝分散とは、遺伝的要因による個体間差の分散であり、全分散とは、遺伝的要因と環境的要因による個体間差の合計の分散です。遺伝分散を直接測定することは困難なため、通常は、双生児研究や養子縁組研究などのデータを用いて推定されます。
双生児研究と遺伝率
一卵性双生児は、遺伝的に同一であるため、環境要因の違いのみが個体間差の原因となります。二卵性双生児は、遺伝的に50%程度一致するため、遺伝的要因と環境的要因の両方が個体間差の原因となります。これらの双生児の形質の相関を比較することで、遺伝率を推定することができます。
遺伝率の解釈における注意点
遺伝率は、あくまで集団における遺伝的要因の相対的な重要性を示す指標であり、個体の形質が遺伝的要因によって決定されることを意味するものではありません。また、遺伝率は、環境要因が一定であるという前提のもとで算出されるため、環境要因が大きく変化すると、遺伝率も変化する可能性があります。さらに、遺伝率は、特定の集団における遺伝的要因の影響を反映するため、異なる集団では異なる値を示すことがあります。