遺伝修復(いでんしゅうふく)
最終更新:2026/4/22
遺伝修復とは、細胞がDNA損傷を検出し、修復する一連のプロセスであり、ゲノムの安定性を維持する。
別名・同義語 DNA修復ゲノム修復
ポイント
遺伝修復機構は、紫外線、化学物質、放射線などによるDNA損傷から細胞を保護し、がんや老化の抑制に重要な役割を果たす。
遺伝修復の概要
遺伝修復は、生物が生存するために不可欠なプロセスです。DNAは常に様々な要因によって損傷を受けますが、細胞はこれらの損傷を修復する能力を備えています。この修復機構が機能しないと、遺伝子変異が蓄積し、がん、老化、遺伝性疾患などの様々な病気を引き起こす可能性があります。
遺伝修復の種類
遺伝修復には、いくつかの異なる経路が存在します。主なものとして、以下のものが挙げられます。
- 塩基切除修復 (BER): DNAの塩基が損傷した場合に、損傷した塩基を切除し、正しい塩基で置換する経路。
- ヌクレオチド切除修復 (NER): 紫外線などによって引き起こされるDNAの歪みを修復する経路。
- ミスマッチ修復 (MMR): DNA複製時に生じた塩基のミスマッチを修復する経路。
- 二本鎖切断修復 (DSBR): DNA鎖が完全に切断された場合に、切断されたDNA鎖を再結合する経路。相同組換えと非相同末端結合の2つの主要なサブ経路があります。
遺伝修復と疾患
遺伝修復に関わる遺伝子の変異は、様々な疾患の原因となります。例えば、
- 色素性乾皮症: NERに関わる遺伝子の変異によって引き起こされ、紫外線に対する過敏症を伴います。
- リンチ症候群: MMRに関わる遺伝子の変異によって引き起こされ、大腸がんなどのリスクを高めます。
- 乳がん卵巣がん遺伝性症候群 (BRCA1/2関連): DSBRに関わるBRCA1/2遺伝子の変異によって引き起こされ、乳がんや卵巣がんのリスクを高めます。
遺伝修復の研究
遺伝修復機構の解明は、がん治療や老化研究において重要な課題です。近年、遺伝修復機構を標的とした新しいがん治療薬の開発が進められています。