生物多様性(せいぶつたようせい)
seibɯt͡sɯtajoːseː
最終更新:2026/4/12
地球上の生物に見られる遺伝子、種、生態系の三つのレベルの多様性のこと。生物同士の相互関係や環境との関わりを含めた、生命全体の豊かな広がりを指す概念である。
ポイント
生物多様性は「遺伝子の多様性」「種の多様性」「生態系の多様性」の3階層で構成される。これらは地球環境を支え、人間社会に多大な恵みをもたらす基盤である。
生物多様性(Biodiversity)
生物多様性とは、地球上の多様な生命と、それらが形成する複雑なつながりを指す言葉です。一般的に、以下の3つのレベルで構成されていると考えられています。
- 生態系の多様性: 森林、湿原、河川、サンゴ礁など、地球上の環境が持つ多様なバリエーション。
- 種の多様性: 動物、植物、菌類、微生物など、地球上に存在する生き物の種類が豊富であること。
- 遺伝子の多様性: 同じ種であっても、個体ごとに異なる遺伝子を持ち、形や性質に違いがあること。
なぜ重要なのか
生物多様性は、人間を含むすべての生命の生存基盤です。私たちは、食料、水、木材などの「供給サービス」だけでなく、気候の調節、水の浄化、災害の防止といった「調整サービス」を自然から享受しています。これを「生態系サービス」と呼びます。
現状と課題
現在、人間活動(土地開発、環境汚染、過剰な資源採取、外来種の持ち込みなど)の影響により、生物種の絶滅速度は自然界の背景レベルを大きく上回っており、地球規模での生物多様性の喪失が危惧されています。この問題に対処するため、国際的には「生物多様性条約」が締結され、持続可能な利用と保全に向けた取り組みが進められています。
地理的視点
生物多様性は地球上で均一ではなく、熱帯雨林やホットスポットと呼ばれる地域に特に濃密に分布しています。地域ごとの生態的特性を理解し、その土地に応じた保全策を講じることが重要です。
国際的な枠組み
2022年には、生物多様性の損失を食い止めるための新たな国際目標として「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択されました。これは2030年までに陸と海の少なくとも30%を保全する「30 by 30」目標などを含んでおり、世界共通の指針となっています。