炭素固定(たんそこてい)
最終更新:2026/4/22
炭素固定とは、大気中の二酸化炭素を植物や微生物が有機物として取り込み、地球温暖化の緩和に寄与するプロセスである。
別名・同義語 炭素貯留二酸化炭素固定化
ポイント
炭素固定は、光合成による生物学的固定と、鉱物との化学反応による非生物学的固定に大別される。近年、人工的な炭素固定技術の開発も進められている。
炭素固定の概要
炭素固定は、地球上の炭素循環において重要な役割を果たすプロセスです。大気中の二酸化炭素(CO₂)は、温室効果ガスとして地球温暖化の原因となるため、その削減が喫緊の課題となっています。炭素固定は、CO₂を大気から除去し、植物や土壌、海洋などに貯留することで、温暖化の緩和に貢献します。
炭素固定の種類
炭素固定は、大きく分けて以下の2つの種類があります。
- 生物学的固定: 植物が光合成によってCO₂を吸収し、糖などの有機物を生成するプロセスです。森林や草原などの生態系は、大規模な炭素固定を行う役割を担っています。また、海洋では、植物プランクトンが光合成によってCO₂を固定し、食物連鎖を通じて深海へと炭素を輸送します。
- 非生物学的固定: CO₂が鉱物と化学反応を起こし、炭酸塩として固定されるプロセスです。例えば、石灰岩の形成などがこれに該当します。このプロセスは、非常に長い時間をかけて進行します。
人工的な炭素固定技術
近年、地球温暖化対策として、人工的な炭素固定技術の開発が進められています。代表的な技術としては、以下のものがあります。
- 直接空気回収(DAC): 大気中のCO₂を直接回収し、貯留または利用する技術です。
- バイオエネルギーと炭素回収・貯留(BECCS): バイオマスをエネルギー源として利用する際に発生するCO₂を回収し、貯留する技術です。
- 炭素鉱物化: CO₂を鉱物と反応させて、安定した炭酸塩として固定する技術です。
これらの技術は、まだ開発段階であり、コストや効率などの課題がありますが、将来的に地球温暖化対策の重要な手段となる可能性があります。
炭素固定と持続可能な社会
炭素固定は、地球温暖化の緩和だけでなく、持続可能な社会の実現にも貢献します。例えば、森林の保全や植林は、炭素固定だけでなく、生物多様性の保全や土壌の保全にもつながります。また、人工的な炭素固定技術の開発は、新たな産業の創出や雇用の創出にもつながる可能性があります。