炭素同化経路(たんそどうかろく)
最終更新:2026/4/22
炭素同化経路は、無機炭素を有機化合物に変換する生化学的な一連の反応である。
別名・同義語 炭素固定一次生産
ポイント
光合成や化学合成によって行われ、生物のエネルギー源や構成要素となる有機物を生成する重要なプロセスである。
炭素同化経路の概要
炭素同化経路は、地球上の生命維持に不可欠なプロセスであり、無機炭素(二酸化炭素など)を生物が利用可能な有機化合物(糖、アミノ酸、脂質など)に変換する生化学的な経路群である。このプロセスは、主に光合成と化学合成の二つの主要な方法で行われる。
光合成
光合成は、植物、藻類、一部の細菌によって行われる炭素同化経路である。太陽光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水をグルコースなどの糖に変換する。この過程で酸素が副産物として生成される。光合成は、地球上のほとんどの生態系のエネルギー源であり、大気中の酸素濃度を維持する役割も担っている。
光合成の段階
光合成は、光化学反応とカルビン回路の二つの段階に分けられる。
- 光化学反応: 葉緑体内のチラコイド膜で行われ、光エネルギーを吸収してATPとNADPHを生成する。
- カルビン回路: 葉緑体のストロマで行われ、ATPとNADPHを利用して二酸化炭素を固定し、糖を合成する。
化学合成
化学合成は、太陽光エネルギーを利用できない環境(深海熱水噴出孔など)で、特定の細菌や古細菌によって行われる炭素同化経路である。無機化合物(硫化水素、アンモニアなど)の酸化エネルギーを利用して、二酸化炭素を有機化合物に変換する。化学合成は、地球上の極限環境における生態系を支えている。
化学合成の種類
化学合成には、様々な種類が存在する。
- 硫黄細菌による化学合成: 硫化水素を酸化してエネルギーを得る。
- 鉄細菌による化学合成: 鉄イオンを酸化してエネルギーを得る。
- メタン細菌による化学合成: メタンを酸化してエネルギーを得る。
炭素同化経路の重要性
炭素同化経路は、地球上の生命の維持に不可欠なプロセスである。光合成は、大気中の二酸化炭素濃度を調節し、酸素を供給する。化学合成は、極限環境における生態系を支える。これらの経路は、地球の炭素循環において重要な役割を果たしている。