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光合成分散場(こうごうぶんさんじょう)

最終更新:2026/4/24

光合成分散場は、植物の葉緑体において、光合成反応で生成されたエネルギーを、ATPとNADPHの形で一時的に蓄積する場所である。

別名・同義語 電子伝達系光リン酸化

ポイント

光合成分散場は、チラコイド膜内外のプロトン濃度勾配を利用してATP合成を行う化学浸透の場でもある。光化学系IIとIを接続し、電子伝達系を介してエネルギーを効率的に変換する。

光合成分散場の概要

光合成分散場(Photosynthetic electron transport chain)は、植物、藻類、シアノバクテリアなどの光合成生物において、光エネルギーを利用して化学エネルギーを生成する一連の反応を指します。これは、葉緑体内のチラコイド膜で行われ、光化学系II(PSII)と光化学系I(PSI)と呼ばれる二つの主要な複合体、およびそれらを繋ぐ電子伝達系によって構成されます。

電子伝達系の役割

光合成分散場における電子伝達系は、光エネルギーによって励起された電子をPSIIからPSIへと伝達する役割を担います。この過程で、電子は一連の電子伝達体(プラストキノン、シトクロム複合体、プラストシアニンなど)を介して移動し、そのエネルギーを利用してプロトン(H+)をチラコイド膜内外に輸送します。このプロトン輸送によって、チラコイド膜内外にプロトン濃度勾配が形成され、これがATP合成酵素を駆動してATP(アデノシン三リン酸)を生成します。このATPは、カルビン回路において二酸化炭素を固定し、糖を合成するために利用されます。

光化学系IIと光化学系I

PSIIは、水分子を分解して酸素を放出すると同時に、電子を供給する役割を担います。PSIは、PSIIから伝達された電子をさらに励起し、NADPH(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)を生成します。NADPHは、カルビン回路において還元剤として機能し、二酸化炭素の固定を助けます。

化学浸透とATP合成

チラコイド膜内外のプロトン濃度勾配は、化学浸透と呼ばれる現象によってATP合成酵素を駆動します。ATP合成酵素は、プロトンの流れを利用してADP(アデノシン二リン酸)とリン酸を結合させ、ATPを生成します。このATPは、光合成によって生成された化学エネルギーの形で植物の生命活動を支えます。

環境要因の影響

光合成分散場の効率は、光強度、温度、二酸化炭素濃度などの環境要因によって影響を受けます。これらの要因が最適範囲から外れると、光合成速度が低下し、植物の成長が阻害される可能性があります。

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