DNR(蘇生措置拒否)(そせいそちちふきひじ)
最終更新:2026/4/28
DNRは、心停止や呼吸停止などの緊急事態が発生した場合に、医療従事者が心肺蘇生などの生命維持措置を行わないという患者の意思表示である。
ポイント
DNRは、患者の尊厳死の権利を尊重し、無益な延命治療を避けるための選択肢の一つであり、事前に医師との十分な話し合いに基づいて決定される。
DNR(蘇生措置拒否)とは
DNR(Do Not Resuscitate)は、英語で「蘇生してはならない」という意味であり、患者が将来的に心停止や呼吸停止などの緊急事態に陥った際に、心肺蘇生(CPR)や人工呼吸などの生命維持措置を希望しないという意思表示のことです。これは、単に治療を拒否するだけでなく、積極的な治療介入を控えることを意味します。
DNRの法的根拠と倫理的背景
DNRは、患者の自己決定権に基づき、自己の生命に関する決定を尊重する考え方から認められています。日本では、民法第201条(事前指示)や、医療法、終末期医療に関するガイドラインなどによって、DNRの法的根拠が示されています。倫理的には、患者の尊厳死の権利を尊重し、無益な延命治療を避けることが重要視されています。
DNRの実施手順
DNRは、患者本人が明確な意思表示を行う必要があります。ただし、意識がない場合や意思表示が困難な場合は、家族や代理人が患者の最善の利益を考慮して決定することがあります。DNRの決定は、医師との十分な話し合いに基づいて行われ、その内容はカルテに記録されます。また、DNRの指示は、いつでも撤回することができます。
DNRとリビングウィル
リビングウィル(事前医療指示書)は、将来的に判断能力を失った場合に備えて、どのような医療を受けたいか、受けたくないかをあらかじめ記載したものです。DNRは、リビングウィルの一部として記載されることもありますが、DNRは特定の緊急事態における蘇生措置の拒否に限定されるのに対し、リビングウィルはより広範な医療行為に関する意思表示を可能にします。
DNRに関する注意点
DNRは、患者の意思を尊重する一方で、誤解や混乱を招く可能性もあります。例えば、DNRは、他の治療行為(栄養補給、疼痛緩和など)を拒否するものではありません。また、DNRの指示は、特定の状況下でのみ有効であり、すべての医療行為に適用されるわけではありません。DNRについて疑問や不安がある場合は、医師や医療スタッフに相談することが重要です。