薬物代謝(やくぶたいしゃ)
最終更新:2026/4/25
薬物代謝とは、生体内で薬物が化学的に変化し、溶解性や排泄性を高める過程のことである。
別名・同義語 薬物変換薬物生体内運命
ポイント
薬物代謝は、薬物の効果や持続時間、毒性に影響を与える重要な生理現象であり、主に肝臓で行われる。
薬物代謝の概要
薬物代謝は、生体が異物を排除しようとする防御機構の一環であり、薬物の効果を減弱または増強し、毒性を変化させる可能性がある。代謝経路は、薬物の化学構造や生体の状態によって異なり、主に肝臓の薬物代謝酵素群によって触媒される。
薬物代謝の段階
薬物代謝は、大きく分けて以下の2つの段階に分けられる。
第I相代謝
第I相代謝は、薬物の化学構造に酸化、還元、加水分解などの反応を加えて、極性の低い薬物を比較的極性の高い化合物に変換する段階である。主な酵素としては、チトクロムP450(CYP)酵素群が挙げられる。この段階で、薬物の活性が変化することもある。
第II相代謝
第II相代謝は、第I相代謝で生成された化合物、またはそれ自体が極性を持つ薬物に、グルクロン酸、硫酸、グルタミン酸などの物質を結合させ、さらに水溶性を高める段階である。これにより、薬物は尿や胆汁を介して容易に排泄されるようになる。
薬物代謝に影響を与える要因
薬物代謝の速度や経路は、以下の要因によって影響を受ける。
- 遺伝的要因: 薬物代謝酵素の遺伝子多型により、代謝能力に個人差が生じる。
- 年齢: 乳幼児や高齢者では、薬物代謝能力が低下している場合がある。
- 性別: 薬物代謝酵素の発現量に性差が見られることがある。
- 疾患: 肝疾患や腎疾患などの疾患は、薬物代謝能力に影響を与える。
- 併用薬: 他の薬物との相互作用により、薬物代謝酵素の活性が変化することがある。
薬物代謝の研究
薬物代謝の研究は、薬物の安全性と有効性を評価するために不可欠である。薬物代謝の研究により、薬物の適切な投与量や投与方法を決定し、副作用を最小限に抑えることができる。