病理学(びょうりがく)
最終更新:2026/4/16
病気の原因、発生、進行、病変などを、組織、細胞、分子レベルで研究する医学の分野。
別名・同義語 病理診断学病理検査学
ポイント
病理学は、診断病理と実験病理に大別され、臨床医学と密接な連携を持つ。病気のメカニズム解明にも貢献する。
病理学とは
病理学は、病気の原因や発生機序を明らかにし、病気の診断や治療に役立てることを目的とする医学の一分野です。臓器や組織、細胞、さらには分子レベルで病変を観察・分析し、病気の正体を突き止めます。臨床医学、特に内科、外科、腫瘍内科などと密接に連携し、診断の精度向上や最適な治療法の選択に貢献しています。
病理学の分類
病理学は、大きく分けて診断病理と実験病理の2つに分類されます。
- 診断病理: 臨床医から提出された生検組織や手術標本を顕微鏡で観察し、病気の診断を行います。がんの診断や炎症性疾患の特定など、臨床診断に直接関わる重要な役割を担います。
- 実験病理: 動物実験や細胞培養などを用いて、病気の発生機序や病変の進展過程を研究します。新たな治療法の開発や病気の予防に繋がる知見を得ることを目指します。
病理診断の流れ
病理診断は、通常、以下の流れで行われます。
- 検体の採取: 医師が患者の病変部位から組織や細胞を採取します。
- 検体の固定: 採取した検体をホルマリンなどの固定液で固定し、組織構造を保存します。
- 検体の包埋: 固定された検体をパラフィンなどの包埋剤で包み込み、薄切しやすい状態にします。
- 薄切・染色: 包埋された検体を薄く切り出し、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色などの染色法を用いて、細胞や組織を可視化します。
- 顕微鏡観察: 病理医が顕微鏡を用いて、染色された標本を観察し、病変の有無や種類、程度などを診断します。
- 免疫染色・遺伝子検査: 必要に応じて、免疫染色や遺伝子検査などの特殊な検査を行い、診断の精度を高めます。
病理学の進歩
近年、病理学は分子生物学や遺伝子解析技術の進歩により、飛躍的な発展を遂げています。がんの遺伝子変異の解析や、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測など、個別化医療の実現に貢献する新たな診断・治療法が開発されています。