電子顕微鏡(でんしけんびきょう)
最終更新:2026/4/25
電子顕微鏡は、電子線を用いて試料を観察し、光学顕微鏡では見えない微細な構造を拡大する機器である。
別名・同義語 電子マイクロスコープ
ポイント
電子顕微鏡は、波長が短い電子線を利用することで、光学顕微鏡よりもはるかに高い分解能を実現する。生物学、材料科学など幅広い分野で使用される。
概要
電子顕微鏡は、光の代わりに電子線を用いて試料を観察する顕微鏡である。光学顕微鏡の分解能は約200nm程度であるのに対し、電子顕微鏡は0.2nm以下の分解能を持つことができ、ウイルスや原子レベルの構造を観察することが可能である。
歴史
電子顕微鏡の原理は、1924年にフランスの物理学者ルイ・ド・ブロイが提唱した物質波の概念に基づいている。1931年にドイツの物理学者エルンスト・ルスカが、最初の電子顕微鏡を開発し、1939年には商業的な電子顕微鏡が初めて登場した。
種類
電子顕微鏡には、大きく分けて透過型電子顕微鏡(TEM)と走査型電子顕微鏡(SEM)の2種類がある。
- 透過型電子顕微鏡(TEM): 試料に電子線を透過させ、透過した電子線をレンズで拡大して像を形成する。非常に高い分解能を持つが、試料を薄く切断する必要がある。
- 走査型電子顕微鏡(SEM): 試料表面を電子線で走査し、反射または放出された電子線を検出して像を形成する。試料の表面形状を観察するのに適しており、試料の準備が比較的容易である。
原理
電子顕微鏡は、電子線の波長が光よりもはるかに短いため、高い分解能を実現できる。電子線の波長は、電子線の加速電圧によって変化し、加速電圧が高いほど波長が短くなる。電子線は、真空中で伝播する必要があるため、電子顕微鏡は真空装置を備えている。
用途
電子顕微鏡は、生物学、医学、材料科学、ナノテクノロジーなど、幅広い分野で使用されている。例えば、ウイルスの構造解析、細胞小器官の観察、金属材料の微細構造解析、半導体デバイスの欠陥検査などに利用されている。