自閉スペクトラム(じへいすぺくとらむ)
最終更新:2026/4/25
自閉スペクトラムは、社会的なコミュニケーションや相互作用に困難を抱え、限定された反復的な行動や興味を示す発達障害の総称である。
別名・同義語 自閉症スペクトラム障害ASD
ポイント
自閉スペクトラム症(ASD)は、かつて個別に診断されていた自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などが統合された概念である。症状の現れ方は人によって大きく異なる。
概要
自閉スペクトラム(ASD: Autism Spectrum Disorder)は、発達神経系の違いによって生じる、社会性、コミュニケーション、行動の特徴を持つ状態を指します。スペクトラムという言葉が示すように、症状の程度や現れ方は人それぞれであり、多様な特性を持つ人々が含まれます。
歴史的背景
自閉症という概念は、1943年にレオ・カナーによって初めて記述されました。当初は、母親の養育態度に起因する精神疾患と考えられていましたが、その後の研究により、脳の発達の違いが主要な原因であることが明らかになりました。2013年に発表されたDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)において、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害などが統合され、「自閉スペクトラム症」という一つの診断名となりました。
主な特徴
自閉スペクトラムを持つ人々は、以下の特徴を示すことがあります。
- 社会的コミュニケーションの困難: 相手の表情やジェスチャーを読み取ることが苦手、会話のキャッチボールが難しい、共感性に乏しいなど。
- 限定された反復的な行動や興味: 特定の物事への強いこだわり、常同行動(手遊び、体の揺れなど)、決まったルーティンを守ろうとするなど。
- 感覚過敏または感覚鈍麻: 特定の音、光、触覚、味、匂いなどに過剰に反応したり、逆に鈍感であったりする。
これらの特徴は、日常生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。しかし、適切な支援や教育を受けることで、能力を最大限に発揮し、社会参加を促進することができます。
診断と支援
自閉スペクトラムの診断は、専門家(医師、臨床心理士など)による詳細な評価に基づいて行われます。早期発見・早期支援が重要であり、療育、教育、就労支援など、様々な支援サービスが提供されています。