ICRA(いんふぇくしょんこんとろーるりすくあせすめんと)
最終更新:2026/4/11
感染制御リスクアセスメント(Infection Control Risk Assessment)。医療施設の建設や改修工事に伴う感染リスクを事前に評価し、予防策を講じる管理手法。
ポイント
医療機関の工事に伴う環境変化(粉塵、水系汚染等)から患者や職員を感染症から守るための不可欠な安全管理プロセス。施工前・中・後の各段階で適用される。
ICRAは、医療施設における建設、改修、メンテナンス工事に際して、粉塵やカビ(アスペルギルス等)の飛散、水系汚染、騒音、振動などが患者や職員の感染リスクに及ぼす影響を事前に評価し、適切な予防措置(バリアの設置、HEPAフィルタの使用、排水管理、負圧管理など)を講じるための体系的な管理手法である。米国医療疫学協会(SHEA)や米国疾病予防管理センター(CDC)のガイドラインに基づき運用されることが国際的な標準となっている。
運用の要点と重要性
ICRAは、建設工事が進行中の医療環境において、空気中の真菌(アスペルギルス等)の飛散や給排水管の破損に伴う病原菌の拡散を防ぐことを目的とします。一般的なプロセスとしては、まず「リスクグループ(患者の脆弱性)」と「工事活動タイプ」を掛け合わせ、必要な管理レベル(クラスI〜IV)を特定します。その後、障壁の設置、換気システムの隔離、陰圧制御、清掃手順の策定といった具体的な物理的・運用的対策を立案します。
適用場面
単なる大規模な改築のみならず、天井裏の点検や配線の交換といった小規模な工事であっても、免疫不全患者を抱える病棟付近では厳格なICRAが求められます。近年では、施設管理者と感染管理認定看護師(ICN)らが連携し、工事開始前に多職種でリスクを共有する「ICRA委員会」や「プレ・コンストラクション・リスクアセスメント(PCRA)」の一環として実施されることが国際的な標準となっています。