多数傷病者対応準備(たすうしょうびょうしゃたいおうじゅんび)
最終更新:2026/4/28
多数の傷病者が発生した場合に、迅速かつ適切な医療活動を行うために、事前に計画・準備しておく体制。
別名・同義語 災害医療準備救急医療体制
ポイント
大規模災害やテロなど、通常想定される範囲を超える傷病者が発生した場合に備えることが目的である。医療機関だけでなく、消防や警察など関係機関との連携が重要となる。
多数傷病者対応準備の概要
多数傷病者対応準備(Mass Casualty Incident Preparation: MCIP)とは、地震、津波、テロ、大規模火災、交通事故など、突発的に多数の傷病者が発生する事態に備え、医療機関や関係機関が連携して行う準備活動のことである。その目的は、限られた医療資源を最大限に活用し、傷病者の救命率向上と後遺症の軽減を図ることにある。
準備体制の構築
具体的な準備体制としては、以下のものが挙げられる。
- 院内体制の整備: 多数傷病者が搬送されてきた場合に備え、トリアージ(負傷者の状態に応じて治療の優先順位を決定すること)を行うスペースの確保、医療資材の備蓄、医療スタッフの役割分担などを明確にしておく。
- 地域連携の強化: 消防、警察、自衛隊、近隣医療機関など、関係機関との情報共有体制を構築し、合同訓練などを実施して連携を強化する。
- トリアージシステムの確立: 傷病者の状態を迅速かつ正確に評価するためのトリアージシステムの導入と、医療スタッフへのトレーニングを行う。
- 医療資材の確保: 救急医療に必要な医薬品、医療機器、消耗品などを十分に備蓄しておく。
- 情報伝達体制の整備: 傷病者の発生状況、搬送状況、医療機関の状況などをリアルタイムで共有するための情報伝達体制を整備する。
トリアージの重要性
多数傷病者発生時において、トリアージは非常に重要な役割を果たす。限られた医療資源を有効活用し、より多くの傷病者を救命するためには、傷病者の状態を迅速かつ正確に評価し、治療の優先順位を決定する必要がある。トリアージは、専門的な知識と経験を持つ医療スタッフによって行われるべきである。
関係機関との連携
多数傷病者対応は、単独の医療機関だけで対応できるものではない。消防、警察、自衛隊、近隣医療機関など、関係機関との連携が不可欠である。合同訓練などを通じて、各機関の役割分担や情報共有体制を事前に確認しておくことが重要となる。